1980年代初期には普及率1%にも満たなかったものが、1986年時点で普及率40%に急成長したのにはワケがある。
ビデオデッキ購入のおまけとして密かに配られていた裏ビデオの代名詞『洗濯屋ケンちゃん(以後、洗ケン)』である。
しかし1985年2月に新風営法(改正風俗営業法)が施行されると非合法な裏ビデオやビニ本などの裏メディアに対する取り締まりが激化し、合法化された“表ビデオ”のメーカーが勢力を拡大させた。
メーカーが乱立したことで競争が活発化し、同時に倒産メーカーも増加。資金繰りに困って撮影済みの素材テープを売却するメーカーも現われ、モザイク処理前の局部が映り込んだ映像が“流出裏ビデオ”として出回るようになる。
特に有名なのは村西とおる監督率いるダイヤモンド映像の倒産により流出した作品群だ。
専属女優だった桜樹ルイや豊丸など人気女優の流出裏ビデオがあとを絶たなくなり、メーカーの倒産増加とは反対に“裏社会”は隆盛を極める。
さらに、一部のAVメーカーが陰毛の露出を許さなかったビデ倫審査に対立する形で自主規制の名のもとにヘアを解禁し、モザイクの面積を小さく、粒を細かくする“薄消し作品”を生み出すようになった。
1997年以降からは日本のAVを販売するアメリカのポルノメーカーが現われる。
この会社は日本のAVからモザイク処理を外し、アメリカ西海岸やハワイなどに観光旅行に来る日本人向けに“本場無修正ポルノ”を売り、お土産ポルノ市場が登場した。
さらに2000年初期には“日本人女優が出演する無修正ポルノ”の販売が行なわれるようになり、それと同時にインターネットの普及も加速して、日本にいながらにして海外サイトにアクセスして日本人女優の無修正ポルノが入手可能となった。
いつの時代も「見えるか、見えないか」という男たちの女体への渇望がアダルトメディアを支えてきた。
裏ビデオは形を変え、現代でも脈々と生き続けている。
以下ソース
http://www.news-postseven.com/archives/20171001_615760.html
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