刺激的なタイトルだが朝日批判でも、朝日擁護でもない。橘さんはこう語る。
「なんでこんなに朝日新聞が嫌われるのか、ずっと興味があったんです。リベラルと言いながら、実はリベラルじゃないのが1つ。もう1つの理由は、日本人であることを唯一のアイデンティティーと考えるいわゆる『ネトウヨ』の人たちから、彼らの善悪二元論で『反日』の代表として叩かれている。そんなことを考えながら、だけどよくある朝日批判の本や雑誌と書店で並べられたくはないなと思っていたら、朝日新聞出版から依頼があって。『この本は朝日から出せばいいんじゃないか』と」
企画もすんなり通り、朝日新聞社内の書店では長らくランキングの1位を占めていたそうだ。
朝日新聞を嫌い、安倍政権を支持する状況を指して、若年層の「右傾化」といわれる。だが、橘さんは「それは違う」と言う。
「若い人にとって、『変えるな』しか言わない共産党は『保守』で、改革を掲げる自民や維新が『リベラル』なんです。世論調査の結果にも出ていますが、この『保守』と『リベラル』の逆転は40代と50代の間で起きていて、別に今の若者が右傾化したわけじゃない。朝日新聞のようなリベラルにとっていちばんの『不都合な真実』で、メディアのダブルスタンダードは読者に見透かされています」
グローバリズムの中で、世界全体はリベラル化、知識社会化する流れにもあり、そこから脱落する人は増える一方だ。「中流の崩壊」は、アメリカでトランプ大統領が誕生したことでもわかるように、「保守化=右傾化」を招く。
本では、知能や遺伝と政治的態度との相関にも踏み込む。
「言語的な知能って自分を説明できる能力なんです。子供の頃から自分のしたことを説明できないと、世界が不安や脅威を与えるものに思えて保守的な気質になる。一方で、言語的能力は高くなくても仕事ができる人はいます。でも知識社会ではすべてを論理化しマニュアル化するから、彼らの仕事は人件費の安い国へ流れ、さらにはAIロボットに居場所を奪われつつある。世界中で今起こっているのはこういうことなんです」
以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20180927_770014.html
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