新年度、新学期の季節を迎え新たな環境には柔軟に適応していきたいものだ。柔軟さといえば類いまれな軟体を誇るタコだが、その軟らかいボディに加えて、変化する環境へも実に柔軟に適応していることが最近の研究で明らかになってきている。
イスラエルのテルアビブ大学とバル=イラン大学をはじめとする合同研究チームが2017年4月に学術ジャーナル「Cell」で発表した研究では、タコや一部のイカやコウイカは日常的にRNA(リボ核酸)を自分自身で編集して身体を変化させ環境に適応しているという驚くべき報告を行っている。彼らタコたちは常日ごろから“肉体改造”に余念がないのだ。
我々の“肉体改造”は筋トレだったり、整形手術だったりするが、タコの場合は自分で自分の遺伝子情報を編集して生物学的に“肉体改造”を行っているというからすごい話だ。
我々人間を含む一般の動物が環境に適応するために進化を遂げるには、まずDNAレベルでの変異が起こり、それが長い時間をかけて種に広まって徐々に生物学的な変化が進行すると考えられている。
しかしタコの場合はどうも違うようだ。DNAの情報を運ぶメッセンジャーであるRNAの情報を自力で“書き換え”て、いわば“ニセのメッセージ”を全身に伝えることで、自分が望む“肉体改造”を行っているというのである。RNAにこのような編集の手が加えられると、タンパク質の働き方が変わる可能性があり、遺伝子変異を待たずとも、生物がその遺伝情報を微調整できるようになるのだ。
もちろん人間を含むほとんどの生物はRNAを自分で勝手に書き換えるようなことはしないし、できない。もしできたとしても、望む効果よりも多くの問題を生み出すことになるのはある意味で目に見えているからである。しかしタコをはじめとする頭足動物(cephalopod)はそんな懸念などお構いなしだ。彼らは日常的にRNAを編集して自分の“肉体改造”に余念がないのである。
“昨日とは違う自分”を常に体験するのがいったいどんなことなのかなど知りようがないが、自分が望む通りの変化であるとすれば、始終ポジティブな姿勢でいられるのかもしれない。少なくともタコはうつ病に罹ることはないだろう。
驚かされるのはタコばかりではない。2015年の研究では、一般的なイカがその神経系のRNAの60パーセント以上を自ら編集していることを発見している。これらの編集によって脳の生理機能を本質的に変化させ、海の中のさまざまな温度変化にスムーズに適応できる能力を獲得しているという。暑さ寒さに対処する生物学的“衣替え”が素早く行われているのだ。
このRNA編集能力は軟体動物に共通しているわけではなく、貝や腹足類、アメフラシなどにはこの能力はないことから、タコやイカなど一部の頭足動物に特有の能力になるということだ。
そしてこのRNA編集能力は脳を発達させ、彼らに優れた知能をもたらしているという。
確かに、タコやコウイカなどの頭足類はきわめて知能が高い。タコが道具を使った例もあれば、世界中では魅力的なタコの“脱出アーティスト”ぶりを物語る話がいくつもあり、ニュージーランドの水族館のタコは来場客の写真を撮ることを習得したということだ。こうしたタコの知能の高さの秘密はRNA編集能力にあるというのである。
続く
以下ソース
https://tocana.jp/2019/03/post_88992_entry.html
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