都内の一戸建てに住む会社員の高橋さん(仮名・46歳)には中年ニートの弟がいる。高橋さんは3兄弟で、次男は会社員で現在ひとり暮らし。長男の高橋さんと三男で無職のユウさん(仮名・41歳)が実家で80歳近くの両親と同居している。
筆者がユウさんについてたずねると、高橋さんは堰を切ったように語り始めた。
「ユウは小さい頃は活発でした。しかし、中学生ぐらいから少し変わり始めた気がします。無口で自分からは話さない。こちらから話しかけても小さな声でボソボソと返す程度。
ただ、特に問題があったわけではなく、数学が得意で成績は良かった。大学にも現役で合格し、ゼミの教授から母親に『すごく優秀で良い生徒です。お母さんはどうやって育てられたのですか?』と電話が入ったこともあります」(高橋さん、以下同)
そんな真面目で優秀な青年に異変が起きる。
「大学2年生の時に突然、学校に行かなくなり、結局辞めてしまいました。両親とも話しましたが、本当の理由は今でもよくわかりません」
ユウさんは無口なため、家族でも本心が見えないのだと言う。
とはいえ、彼はいきなりニートになったわけではない。大学を辞めたユウさんは、ボランティア活動を始めた。バングラデシュまで行き、現地では井戸を掘るなど、当時は生き生きとした表情だったという。本人としては有意義な体験だったのだろう。
しばらくしてから、2回目に訪れたバングラデシュで“何か”が起きたらしい。
「すごく精神的にショックな出来事があったようです。帰国後、ほとんど人との接触を避けるようになりました。ただ、それに関しても決して口を割らない。本当は、その後に専門学校に入る予定だったのですが、行きませんでした。そして、アルバイトもせず、そのまま引きこもりとなってしまったのです。
たしか、ユウが23歳の時ですかね。その頃は生きていた祖父もひどく心配していました。祖父はユウに買い物を頼み、そのお駄賃として小遣いをあげているようでした」
家族は困り果てていた。高橋さんも長男として責任を感じ、何度もユウさんの部屋まで足を運んで声をかけた。
「ユウは絵を描いたり写真を撮ったりするのが上手いので、芸術系の仕事を目指したらどうか、ギターを弾いているのでバンドでも組んでみたらどうか……など、いろいろと話しかけていました。それでも何も変化はありません。私が怒鳴っても、とくに言い返すこともなく、ただ聞いているだけ。反応がないのが寂しいですね。なんでこうなったのかな」
そのまま年月だけが過ぎていった。41歳になったユウさんの髪は薄くなり、両親も80歳近くになった。昔は週に1度は外で友人と会っていたようだが、それもなくなった。親戚の集まりでは料理を手伝っているが、だれもが腫れ物にでも触るような雰囲気だ。
両親は「将来、私たちが死んだらどうするんだ?」と常に頭を抱えている。自分で稼ぐ意思はないらしい。バイトぐらいはしてほしいと願っている。
たまらないのは長男である高橋さんだ。朝早くから働き、夜遅くに帰ってくると、ニートの弟がいる。いつまでこんな状態でいるつもりなのか……。
「何度も厳しく言いましたが、無理でした。最近は頭にきて仕方がない。障害をもっているわけではなく、料理もつくれるし、車の運転もできる。働く意欲がないことだけが納得いかない。いまは人手不足の業界もあるから、やる気があれば採用される可能性は高い。
もしもアルバイトでも面接に20回行ったけど落ちたとかなら、努力しているわけだから兄弟として助けてあげようと思える。それを怠っているわけだから、もうこんなヤツと生活するのは嫌です。私は家を出てひとり暮らしをします」
続く
以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1657108
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