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番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です (ワッチョイ 46ab-wyP2)
2016/04/26(火) 03:07:42.52 ID:cnDtx0iF0
高齢者の多数の反対によって夫婦別姓程度を認められないような伝統主義の強い、変化を拒む国で、少子化を短期間に
改善すると言ってのけることは、妄言に近いと言えよう。
つまり、絶対人口の減少と生産年齢人口(15歳から64歳)の減少が避けられない現実をみれば、いくら退職年齢を引き上げ
ても長期的にはGDPの規模は縮小に転じるはずである。2050年までには、総人口は、おおよそ3000万人減り、逆に75歳以上
は1000万人増えて、2500万人になる。4人に1人が75歳以上の後期高齢者である。
これが、何が起こるか分からない将来で、可能性の極めて高い将来像である。インフレを考慮せずに単純に計算すると、20
50年までにGDPは約4割縮小する。総人口と生産年齢人口の減少により、毎年1.4%のGDPの減少圧力が2050年までかかる
計算である。これを毎年の生産性向上で相殺して現在のGDPを維持することは、労働集約的であることに価値を置く「おもて
なし」を国是と自負しているサービス業に移行せざるを得ない日本社会において、奇跡が起こらない限り難しいと言えよう。
よしんば、現在の神風である、爆買いの中国人を筆頭とするアジア圏の訪日客に期待するとしよう。その経済効果は、平成2
7(2015)年度版観光白書によると、2014年で2兆278億円(日本滞在中に使った旅行消費額)である。この金額の名目GDPに
対する貢献度は0.4%程度である。日本の関連産業への波及効果を加味したとしても、3兆円程度であり、0.5%程度の貢献である。
毎年1.4%のGDP減少への0.5%の歯止めになる為には、単純に計算して、前年の2兆円は織り込み済みであるので、この外国人
観光客の旅行消費額である2兆円が毎年増えていかなければならない。
ちなみに、もし、外国人観光客の旅行消費額で、現在のGDP(インフレなしとして)から下方圧力のマイナス1.4%を0.5%押し戻す
ことを維持しようとする、つまり、下方圧力を約1%にしようとすると2050年で約60兆円となり、その時点のGDPの16%を占める計算になる。
そうであるとすると、外国人の旅行者数は、日本の総人口をあっと言う間に追い越すことになる。観光客ひとりあたりの日本国内
消費額が激増するとは期待できないので、2050年で2015年の約2000万人の30倍の人数となるので6億人となる。それは現実的
であろうか。この額と人数を現実的と捉えるかどうかは読者の判断ではあるが、筆者には現実的に思えない。
余談であるが、観光立国を真剣に考えるのであれば、パリを抱えるフランスが考案したように、長期的に縮小する国家財政の観
点から、消費税は大幅に引き上げるべきであろう。
急速な超高齢化による富の切り崩しに向かう日本において、国内資本に期待することは難しい。海外からの対日直接投資に関
しては、安倍首相が、昨年の7月の英誌エコノミスト主催の「ジャパンサミット2015」や9月の対日投資セミナーで「私が政権に就
いた翌年、外国企業の日本への投資は、10倍に増えました」と盛んにアピールしている。恐らく、これは、2015年3月の内閣府の
資料である「対日直接投資の現状について」を根拠とし、その中の対日直接投資額のフローを指しているようである。
そこでは、対日直接投資額のフローは、2012年がほとんど1千億円に満たない額であり、2013年であると5倍程度であるが、201
4年では1兆200億円であるので、「政権に就いた翌年」とは整合性がない(政権に就いたのが2012年12月26日なので翌年とは2
013年を意味しているはず)のだが10倍という表現は嘘ではない。2013年では3600億円なので、2014年との比較では3倍程度な
のでやはり基準年は2012年であろう。
そうであるとすると、そもそも、東日本大震災と福島での原発事故の衝撃の冷めやらぬ翌年2012年を比較の基準に据えるのはフェア
な議論とは言えまい。政治家の言にフェアなどないと言えばその通りなのだが。
http://www.huffingtonpost.jp/yasushi-ogasawara/gdp-reconsidering_b_8927204.html