ピヨピヨ…「宇宙のさえずり」キャッチに成功
2017年04月09日 12時59分
金沢大総合メディア基盤センターの笠原禎也教授(電波科学)と東北大などの研究チームは、「宇宙のさえずり」と呼ばれる宇宙空間の
電磁波・コーラスをとらえることに成功した。
今回の観測は、太陽活動を含む宇宙の現象やその影響を予報する「宇宙天気予報」などへの応用が可能とされ、宇宙空間の謎の解明に
つながることが期待される。
宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)が昨年12月、鹿児島県から固体燃料ロケットを打ち上げており、研究チームはそこに搭載された
探査衛星「あらせ」に、開発した観測器を載せた。
コーラスは、赤道上空(高度3000〜3万キロ・メートル)を2重のドーナツ状に取り巻く放射線帯(バンアレン帯)で観測された。
真空の宇宙では、直接音を聞くことはできないが、コーラスを観測器で受信すると、「宇宙のさえずり」と呼ばれる小鳥の鳴き声のような
「ピヨピヨ」という音が聞こえたという。
放射線帯は非常に放射線量が高く、通常は観測が困難な領域。
コーラスは地球近くの宇宙空間での激しい気候変動に関係し、人工衛星の誤作動や、宇宙飛行士の活動への影響が起こりやすくなる。
研究チームは3月下旬からは、北欧や北米などの世界8か所の拠点で、地上からもコーラスの観測に乗り出した。
宇宙空間で観測されたコーラスは、金沢大のホームページ(http://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/45590)からも聞くことができる。
笠原教授は「音(コーラス)をたくさんの人に聞いてみてほしい。宇宙空間の不思議を知ってもらえるはず」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20170408-OYT1T50013.html
コーラス
www.kanazawa-u.ac.jp/wp-content/uploads/2017/03/chorus.wav