安倍晋三首相「北朝鮮は何度も約束破った」 制裁履行など訴え
【タオルミナ(イタリア南部)=杉本康士】
イタリア南部シチリア島で開催中の先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)は27日午前(日本時間同日夕)、2日目の討議を行い、共同声明を採択して閉幕する。
初日の26日には安倍晋三首相が冒頭に発言し、「国際的秩序が大きな挑戦にさらされており、G7がこれまで以上の役割を果たすべく、さらに結束していくことが重要だ」と訴えた。
サミット2日目は、アフリカ開発や、難民問題や食糧問題などグローバルな課題について討議が行われる予定。安倍首相は、中国が強引な海洋進出を進める東・南シナ海情勢など海洋安全保障について積極的に取り上げたい考え。
首相は海洋における法の支配の重要性や、G7の一致した対応が重要だと訴える方針だ。 首相はサミット閉幕後、日本の首相としては初めてマルタを訪問。首脳会談後、同日中に帰国の途に就く。
26日の北朝鮮をめぐる討議では、安倍首相が「国際社会は非核化と引き換えにさまざまな支援をしたが、北朝鮮は何度も約束を破ってきた」と指摘。
国連安全保障理事会の制裁決議の厳格な履行や、さらなる挑発行為があった場合の追加制裁を求めた。日本人拉致問題については「長い年月がたつなかで、もはや一刻の猶予も許されない」と訴え、各国の賛同を得た。
貿易問題では「自由貿易こそが平和と繁栄の礎だ」と強調。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や日EU経済連携協定(EPA)の実現を目指す日本の取り組みを説明した上で「高い水準のルールを世界に広げていく」と述べた。
安倍首相は英中部マンチェスターで起きた自爆テロを強く非難。
シリア情勢に関しては「ロシアを含むアサド政権に影響力を有する全ての関係者が最大現、影響力を行使するべきだ」と述べ、ロシアとの協力性の重要性を訴えた。
参院で29日から審議入りする組織犯罪処罰法改正案に関しては「国際組織犯罪防止条約締結のためのわが国の取り組みに対する各国の支持に感謝したい」と述べた。
http://www.sankei.com/smp/world/news/170527/wor1705270032-s1.html