学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画を巡り、前川喜平前文部科学事務次官は5日、
福島市で講演し、10日に行われる衆参両院の閉会中審査の参考人招致について「私の知る限りは申し上げたい」と語った。
一連の問題に関し「特定の法人に特定のチャンスを与えた。規制緩和というより特権を与えたことが問題」と指摘。官邸の関与を否定する政府対応などを批判して「(現状では)真相解明はほど遠い」と述べた。
参考人招致を巡っては「聞かれたことはちゃんと答える」と強調。自身が見聞きしていない部分もあるとして「この一件は道半ば。
(国家戦略特区の議論について)知っている人がプロセスを明らかにすることが大事だ」と話した。
さらに今回の獣医学部新設が「本当に国民のためになっているのか危惧している」と批判。
「役所も政府も平気でうそをつく。国民は政府を監視しなくてはいけない」と力を込めた。
行政のプロセスがゆがめられた過去の例にも言及。2015年の世界文化遺産の登録候補推薦が、文化審議会が選んだ「長崎の教会群」ではなく、内閣官房の有識者会議が推す「産業革命遺産」に決まったことに「官邸主導のルール違反があった。文科省は歯ぎしりした」と振り返った。
前川氏は2月からボランティアで続ける福島市の自主夜間中学の講師として講演。
以前から公立夜間中学の設置推進に力を入れており「福島に東北第1号をつくってほしい」と集まった約40人に呼び掛けた。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201707/20170706_63014.html