熊本県の公立小学校の教諭だった男性(50)が、勤務中にろれつが回らなくなった後、脳出血と診断され、
後遺症を負ったのは過重労働が原因だとして31日、公務災害と認めなかった地方公務員災害補償基金熊本県支部の決定の取り消しを求め、熊本地裁に提訴した。
訴状によると、男性は平成23年12月、勤務中に体の異変を感じて帰宅後、意識を失い、搬送先の病院で脳出血と診断、後遺症で寝たきり状態となった。
発症1カ月前の残業時間は、土日の部活動指導や研究発表に向けた自宅での準備を含め、「過労死ライン」の約100時間を超す約155時間だったとしている。
男性は24年3月、熊本県支部に公務災害としての認定を請求したが、26年8月に公務外とされ、2度の不服申し立ても退けられた。
自宅での作業が一部しか労働と認められなかったという。
提訴後の記者会見で、松丸正弁護士は「自宅への持ち帰り業務など、教師の労働時間が適正に把握されていない。過重労働や過労死の温床となっている」と訴えた。
「こんな事故は私で終わらせてほしい」とする男性のコメントも読み上げた。
産経2017.7.31 18:54
http://www.sankei.com/west/news/170731/wst1707310088-n1.html