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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170810-00089735-playboyz-pol
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蓮舫氏をめぐる問題や、日本社会の「二重国籍」に対する姿勢は外国人ジャーナリストの目にはどう映るのか?
そしてなぜ民進党はこの状況でも有権者からの厳しい視線に正面から向き合うことなく、身内の「国籍問題」による足の引っ張り合いで醜態を晒(さら)してしまうのか?
「週プレ外国人記者クラブ」第87回は、日本に長く暮らし、日本人の妻を持つアイルランド人ジャーナリスト、デイヴィッド・マクニール氏に話を聞いた――。
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─東京都議選が終わるや否や、民進党では蓮舫代表の「二重国籍問題」が蒸し返され、大きな話題になりました。「二重国籍」をめぐる一連の議論をどのように見ていましたか?
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─この問題に関する一連の反応は、日本の「国籍制度」に関する問題や日本人の「国籍観」を反映しているようにも感じます。
マクニール そうですね。蓮舫氏の「二重国籍問題」に対する日本社会の反応を見ていると、
日本の社会には依然として強い「同一性」への志向というか、「純粋な日本人」という考え方に対する強い思い入れが存在していて、それが一連の議論にも少なからず影響しているように思います。
ですから、仮に正当な日本国籍を持つ「日本人」であったとしても「他の国のルーツを持つ人」に対する“区別“のような感覚は存在する。
もちろん、それは多くの場合“差別”や“嫌悪”ではないのですが、「純粋な日本人ではない」という点に、なんらかのこだわりを持つ人が未だに少なくないのは事実だと思います。
─蓮舫氏の問題の場合、彼女の父親のルーツが台湾人、あるいは広い意味での「中国人」であるということが、さらに反応を大きくした要因であるようにも見えます。
仮に彼女の父親がアメリカ人やドイツ人だったら、果たして同じような批判に晒されたのか、と。
マクニール 私もそう思います。今回の問題は「二重国籍疑惑」に加えて、彼女の父方の血が「中国系」であったことが過剰な反応を引き起こしたひとつの要因だったと言えるでしょう。
一部の人たちは「中国」と聞くだけで過剰反応を起こし、中国系の血が入っているだけで「スパイだ」などと軽率に口にします。
確かに、中国という国や中国政府に対しては一定の警戒が必要かもしれませんが、
それと個人の国籍に関する話をゴチャ混ぜにして根拠なく人格を批判したり、否定したりするのはパラノイア的な反応です。
沖縄の米軍基地反対運動でも同じことが起きています。沖縄の人たちが自分たちの生活を守るために米軍基地への反対運動をすると、
それに対して必ず「中国人に操られている」「奴らは中国の手先だ」といったことを言う人たちがいて、挙句の果てには「そのうち沖縄が中国に侵略される」と根拠もなく主張する人たちが現れる。
蓮舫氏の「二重国籍問題」も、単なる国籍に関する問題をそうした「反中感情」に結びつけて民進党内の勢力争いに利用しようという人たちや、
あるいは、その外側から民進党自体の信頼失墜に利用しようとする人たちによって、あれほど大きな騒ぎになったのだと思います。
そして、その背景には日本人の心の中にある「純粋な日本人」というモノへの志向、あるいは、日本社会の「同一性」への志向があるのだと思います。
─社会のグローバル化が進み、日本で暮らす外国人や海外で暮らす日本人、国際結婚のカップルやその子供たちも増えています。
欧米では多くの国がなんらかの形で「二重国籍」を認めている中、それを認めない日本の国籍制度はどうあるべきなのでしょうか?
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(取材・文/川喜田 研 撮影/長尾 迪)
●デイヴィッド・マクニール
アイルランド出身。東京大学大学院に留学した後、2000年に再来日し、英紙「エコノミスト」や「インデペンデント」に寄稿している。
著書に『雨ニモマケズ 外国人記者が伝えた東日本大震災』(えにし書房刊 ルーシー・バーミンガムとの共著)がある
(おしまい。