北朝鮮使用?エンジンは「ロシア向け」 ウクライナ発表
2017年08月16日 05:20 発信地:キエフ/ウクライナ
【8月16日 AFP】ウクライナ国立宇宙機関(SSAU)は15日、北朝鮮のミサイル開発で使用されたとみられるエンジンについて
、ウクライナの工場で製造されたものだったと認めた上で、その目的はロシアに供給する宇宙ロケットへの搭載のみだったと発表した。
英シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」は14日に発表した報告書で、北朝鮮がこのところ長距離ミサイルの開発で急速
な進歩を遂げた理由は、旧ソ連構成国のウクライナの工場で製造された「RD250(RD-250)」ロケットエンジンを改良して
使用したことにあるとみられると指摘していた。
同研究所によると、これらのエンジンはロシアまたはウクライナの兵器庫の従業員が不正に密売し、
犯罪組織によって北朝鮮に密輸された可能性があり、その時期は1991年のソ連崩壊と現在のウクライナ
危機の間だったとみられる。
SSAUのユーリー・ラドチェンコ(Yuriy Radchenko)会長代行は記者会見で、RD250エンジンは2001年まで
ウクライナのユジマシ(Yuzhmash)で製造され、ロシアに供給されたロケット「ツィクロン2(Cyclone-2)」と
「ツィクロン3(Cyclone-3)」に搭載されていたと説明。
問題のエンジンとロケットはいずれも「ロシア向けにユジマシで製造された」もので、ロケットの総数は233機に上り、
宇宙への打ち上げに使用されたという。
同氏はウクライナ側が把握している情報として、ロシアは現在ツィクロンロケットを7〜20機所有しており、
同国はRD250エンジンとその設計図を「誰にでも意のままに供給できる」と指摘。さらに、
同エンジンの使用に必要なロケット燃料の製造技術を所有しているのは、ロシアと中国だけだとの見解を示した。
http://www.afpbb.com/articles/-/3139304?cx_part=topstory