加計学園の岡山理科大学獣医学部の新設をめぐる問題で、本誌は計52ページに及ぶ設計関連文書を入手した。
<(仮称)岡山理科大学 獣医学部 今治キャンパス 新築工事及び周辺工事 獣医学部棟>というタイトルの図面の作成者は、加計学園関連グループ会社のSID創研と大建設計。平成29年3月という日付が記されている。
開校予定地、愛媛県今治市議会は、加計学園に対し、最大96億円(愛媛県負担分も含む)の補助金拠出をたった1日の審議で可決(3月31日)。
その巨額補助金の積算根拠の一つが、この文書だったわけだが、これまでその存在は一切、表に出てこなかった。
今治市で加計学園問題を追及している「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表はこう話す。
「これまで補助金積算の根拠となるものを今治市は情報公開でも明かさず、拒んできた。
それがはっきりすれば、市議会のデタラメな議決、水面下でくすぶっていた加計学園の不透明な補助金請求が白日の下にさらされます」
国家戦略特区を利用した加計学園の獣医学部新設は8月末にも認可される見込みだったが、文部科学省の大学設置・学校法人審議会は8月9日、結論を出せず、保留する方針を固めた。
「教員数、生徒の定員数が足りない上、教育カリキュラムなどが十分に整備されていないという判断で、保留という結論になった」(文科省関係者)
本誌は安倍官邸が国会で頑なに詳細を隠していた今治市職員の「謎の官邸訪問」の詳細をスクープ。
国家戦略特区を使った獣医学部の新設を今治市が国に提案するより2カ月も前の2015年4月2日、官邸で加計学園、柳瀬唯夫首相補佐官(当時)、今治市、愛媛県の4者が“密会”していた事実を報じた(17年8月16日)。
市町村の課長クラスが官邸を訪問することは異例中の異例だ。
「週刊朝日のスクープ直後から、獣医学部の設計文書が外部に流出するのではないのかと話題になっていた。文科省周辺からは、設計が出れば認可がさらに遅れると危惧する声が出ていた」(同前)
国家戦略特区で加計学園の獣医学部の新設がOKとなったのは、最先端のライフサイエンス研究ができる施設、設備を設置することが条件だった。
加計学園は、これまでの獣医学部にはない、最先端のライフサイエンス研究のために「バイオセーフティーレベル3」の施設をつくるとしている。
これは、細菌やウイルス、微生物などを厳重な管理下で研究するものだ。
専門家によれば、
「鳥インフルエンザ、HIVウイルスなどが研究対象です。
最高のレベル4だとエボラ出血熱のウイルスなどになります。
レベル3や4は非常に高度でかつ厳重な管理が必要で、それに対応できる施設でなければいけません」
本誌が入手した文書の11ページにバイオセーフティーレベル3の研究施設が記されている。
だが、それを見た研究者はこう指摘する。
「隔離性が低く、危害性の高い病原微生物等を取り扱う教育、研究、病性鑑定には不向き。
これでは高病原性鳥インフルエンザの検査、診断、実験、研究は難しいと思う。
施設全体でみても、動物実験を理解していない人が設計しているんじゃないか」
以下略
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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170818-00000074-sasahi-pol