来春卒業予定の高校生の採用活動が16日に解禁され、佐賀県内では連休明けの19日から企業の採用試験が本格化する。
全国的に人手不足が深刻化する中、県内各校には大量の求人票が届き、人材獲得競争は過熱。県内企業からは、都市部や大手企業への人材流出に危機感が広がっている。
佐賀労働局によると、2017年3月末の県内高卒者の就職内定率は、過去最高の99・4%。就職環境が改善する一方で、このうち県外企業に内定した高校生は41・5%に上る。
県中部の進路担当教諭は「うちは商業高校なのに、工業系の企業からの求人が目立ってきた」と最近の傾向を説明する。就職希望者約120人に対し、同校に届いた求人票は大手メーカーを含め千社を超える。
「入社後に一から技術を学ばせるという企業もある。大手といえども人手不足はかなり深刻なようだ」と指摘する。
県東部の金属加工メーカーは例年、10人以上の応募があったが、今年は1人にとどまっている。
「仕事のやりがいよりも、有給が取れるかとか福利厚生を重視する傾向が強く、大手には太刀打ちできない」と話し、「うちもそうだが、外国人労働者の採用を真剣に考え始めている企業は多い」と実情を打ち明ける。
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