自画撮り被害、過去最多 上半期
今年上半期(1〜6月)に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件の被害者のうち、スマートフォンなどで撮影した自分の裸の画像を送信させられる
「自画撮り」の被害が前年同期比10%増の263人で過去最多だったことが、警察庁のまとめで分かった。
児童ポルノの被害者の半数近くを占めた。
ツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で同年代を装って近づき、画像を送らせるケースが多く、同庁が注意を呼びかけている。
同庁によると、自画撮り被害に遭った263人のうち、中学生が139人、高校生が101人、小学生が17人。
男子も10人いた。
北海道では無職の男が小学生の女子児童(9)に裸の画像を送らせていた。
加害者との関係は、「面識がなかった」が全体の85.9%を占め、「知人」は6.8%、「交際者(元交際者含む)」は6.5%だった。
面識がないケースのうち91.6%はツイッターや無料通信アプリ「LINE」などのSNSで知り合っていた。
同庁によると、同世代のふりをして被害者から学校名や氏名などの個人情報や悩みを聞き出し、「ばらすぞ」と脅して画像を送らせる手口が多い。
やり取りするうちに恋人や親子のような関係になり、関係を絶ちたくないという気持ちから求めに応じた子供もいたという。
児童ポルノ全体の被害者数は594人。一度に多数の児童が盗撮される事件があった前年の777人から大幅に減ったが、増加傾向が続いている。
自画撮り以外の被害者は、強姦(ごうかん)・強制わいせつ84人▽児童買春・淫行(いんこう)79人−−などだった。
摘発件数は前年同期比12.1%増の1142件で過去最多となった。
児童のわいせつな画像を撮影する「製造」が724件で最も多く、そのうち自画撮りが4割を占めた。
インターネットなどに画像を公開する「提供・公然陳列」が387件、「所持」は31件だった。
警察庁幹部は自画撮り被害が急増していることについて
「『知らない人にはついていかない』というのはネットでも同じ。見知らぬ人に個人情報を伝えてはいけない。
画像がネットに流れれば回収は難しく、被害が続くことを分かってほしい」と強調する。【川上晃弘】
https://mainichi.jp/articles/20170921/k00/00e/040/266000c