世界最古? カナダで39億5千万年前の生物の痕跡発見 東大教授ら英科学誌に発表
2017.9.28 06:52
カナダで見つかった、最古の可能性がある生物痕跡。直径20〜30マイクロメートルの粒の一つ一つが細胞だったとみられる (小宮剛東京大准教授提供)1/2枚
カナダで採った岩石から39億5千万年前の生物の痕跡を見つけたと、東京大の小宮剛准教授(化学古生物学)
らが27日付の英科学誌ネイチャーに発表した。約38億年前とされる最古の記録を塗り替える可能性がある。細胞核を持たない原始的な生物だったらしい。
痕跡を見つけたのは、カナダ東部のラブラドル半島。大昔に海だった頃、泥や炭酸カルシウムが海底に積もってできた岩の中に、炭素が豊富な直径数十分の1ミリの塊が含まれていた。この岩の年代を調べたところ39億5千万年前だった。
小宮さんによると、天然の炭素にはごくわずかに重さの違う3種類があるが、この塊は生物の体内に特徴的な最も軽い炭素の割合が高く、かつては生物の体だったと判断した。木が石炭になるように、死後に水素や窒素などが抜け炭素が残ったものらしい。
小宮さんらは今後、この生物がどんな元素を利用していたかを調べる。生物の痕跡を含む岩も分析して、当時の環境を推定したいとしている。
これまでは、グリーンランド南部で見つかった38億1千万年前の生物の痕跡が最古と考えられてきた。今年3月には、英国などの研究チームが42億〜37億年前の生命痕跡を見つけたと発表するなど、最古の生物をめぐる研究が続いている。
http://www.sankei.com/smp/life/news/170928/lif1709280001-s1.html