CSはやめるべきだ
人気とりのためにパ・リーグが苦肉の策として「プレーオフ」制を採り入れ、
その後セ・リーグも同調してCSが設けられた。そこには、人気とりだけでなく、
試合を増やして興行収入を稼ぐという球団の自己利益追求の発想も透けて見える。
大リーグの場合は、広大な地域に2リーグ合わせて30ものチームが分散しており、
プレーオフ制を採用する十分な根拠がある。しかし日本では、1リーグ6チーム、
2リーグ合わせてもわずか12チームしかなく、プレーオフ制にする意味はない。
そればかりか、プレーオフ制によってペナントレースの価値が損なわれてしまった。
球団関係者は、「出場するチームのファンは喜んでいる」とCSの意味を強調する。
そうであれば、ファン自体、CSについてしっかりと考える必要がある。
「レギュラーシーズンの優勝チームにはCSで無条件に1勝を与える」ということ
自体、競技の本質を根本から否定したものである。大相撲での相手力士のケガや
故障による休場、他の競技での相手選手の棄権や失格で勝利が
与えられることはある。しかし、それらのケースとCSの場合の
「1勝を与える」こととは本質的に異なる。
競技本来のルールに照らしてもCSは、いい加減なものであり、
来シーズンから止めるべきだ。144試合のペナントレースの価値を高めるために、
レベルを高め、充実を図ることこそがプロ野球界の喫緊の課題であり、
まずはその取り組みに全力を注ぐべきである。
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