栃木小1女児殺害事件で殺人罪に問われ、1審で無期懲役の判決を受けた勝又拓哉被告(35)の控訴審第2回公判が30日、東京高裁(藤井敏明裁判長)であり、
弁護側証人として出廷した東京医科大の吉田謙一教授(法医学)が「被告が自白したとされる内容は、遺体の状態と合わない」と証言した。
凶器などの有力な物証はなく、捜査段階で殺害を認めた供述の信用性が争点。1審宇都宮地裁は信用性を認めて有罪とした。
弁護側は控訴審で吉田教授の鑑定書を提出。被告の自白内容と遺体や発見現場の状況が矛盾しており、自白には信用性がないと主張している。
吉田教授は法廷で、別の医師が司法解剖の際に記録した傷の状況を1つ1つ説明。
「刃物の向きが傷ごとに異なっており、凶器を持ち替えて刺した可能性がある」などと述べた。弁護側は、短時間で連続して刺したとする自白と整合しないとしている。
https://www.nikkansports.com/general/news/201710300000441.html
第三者のDNAか、審理請求へ
2005年に栃木県今市市(現日光市)の小学1年の女児(当時7)が殺害された事件で、一審の裁判員裁判で無期懲役の判決を受けた勝又拓哉被告(35)=控訴中=の弁護団が29日、法廷に未提出だったDNA型鑑定の審理を求める法医学者の意見書を東京高裁に提出する。
この鑑定は栃木県警が捜査段階で外部に嘱託したもので、遺体に付着した遺留物から勝又被告のDNA型は検出されず、第三者の型が検出されたと指摘したもの。一審では証拠提出されなかった。
事件を巡っては凶器がみつからないなど直接的な物的証拠が乏しく、宇都宮地裁は「客観的事実から被告の犯人性を認定することはできない」としながらも、自白の信用性をもとに有罪判決を言い渡した。
東京高裁がこの鑑定結果を証拠採用すれば、二審の焦点となりそうだ。
一審で検察側は県警科学捜査研究所が行った別の鑑定結果を証拠提出した。この鑑定結果でも勝又被告の型は検出されず別人の型が検出されたが、検察側は鑑定した技官の細胞が混入したと説明。判決も内容に矛盾はないと結論付けた。
弁護団が控訴審で審理を求める鑑定は、県警が勝又被告を殺人容疑で逮捕する前の14年4〜5月に山田良広・神奈川歯科大学大学院教授に依頼し、女児の皮膚などに付着した微物や、頭髪に付着していた粘着テープなどを調べたもの。
粘着テープは遺棄された女児の頭部に付いていたもので、犯人が女児の顔などを覆った可能性がある。テープ片からは勝又被告のDNA型は見つからず、複数の別人のDNA型が見つかった。
http://www.asahi.com/articles/ASK8Q6W55K8QUUHB00Y.html