「畳の上で死にたい」という言葉がある。これは、本来は、非業の死を迎えることなく、普通に家で死にたいという意味であるが、
今では、持病が悪化して入院している病院、あるいは危篤で運び込まれた病院ではなく、
日ごろ住み慣れた家で安らかに死にたいという意味だと勘違いしてもおかしくない状況となっている。
戦後の大きな変化のひとつは、生まれたり死んだりする場所が家から病院に変わったことである。
いつごろ変わったのか、どのようなテンポで変わったのかなどを知るため、こうした変化をデータで追ってみよう。出生届や死亡届を集計している厚生労働省の人口動態統計では出生や死亡の場所も集計しており、
図1はこのデータにもとづいて描いたものである。
◆図1 生まれるのも死ぬのも今では家でなく病院
──家で生まれる人・家で死ぬ人の割合の推移
http://diamond.jp/articles/-/93444