ワニの口のように開く2つの折れ線グラフ。上あごは日本全体の賃金、下あごは1人あたりの賃金だ。
厚生労働省が22日発表した毎月勤労統計調査によると、7〜9月期の1人あたり実質賃金は、アベノミクスが始まった2012年10〜12月期より4%低かった。
一方、1人あたり実質賃金に雇用者数を掛けた日本全体の賃金は6%高い。有効求人倍率など雇用指標はバブル期の水準を超えて好調だが、一人ひとりの懐は温まっていない。
日本全体の賃金が増えたのは、働く高齢者や女性が増え、雇用者が12年以降に290万人増えた影響が大きい。
ただ、高齢者や女性はフルタイムの正社員ではなく、非正規のパートやバイトで働く人が多い。
厚労省の調査では、正社員の平均賃金は月32万円なのに対し、非正規は21万円。
しかも非正規は雇用者全体の37%を占め、5年間で2ポイント上昇した。このため、1人あたりでならすと賃金は上がりにくい。
大和総研の長内智シニアエコノミストは「1人あたり実質賃金を伸ばさないと、景気回復の実感が得られず、消費が活性化しない」と指摘する。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/wage2017/
厚生労働省が22日発表した毎月勤労統計調査によると、7〜9月期の1人あたり実質賃金は、アベノミクスが始まった2012年10〜12月期より4%低かった。
一方、1人あたり実質賃金に雇用者数を掛けた日本全体の賃金は6%高い。有効求人倍率など雇用指標はバブル期の水準を超えて好調だが、一人ひとりの懐は温まっていない。
日本全体の賃金が増えたのは、働く高齢者や女性が増え、雇用者が12年以降に290万人増えた影響が大きい。
ただ、高齢者や女性はフルタイムの正社員ではなく、非正規のパートやバイトで働く人が多い。
厚労省の調査では、正社員の平均賃金は月32万円なのに対し、非正規は21万円。
しかも非正規は雇用者全体の37%を占め、5年間で2ポイント上昇した。このため、1人あたりでならすと賃金は上がりにくい。
大和総研の長内智シニアエコノミストは「1人あたり実質賃金を伸ばさないと、景気回復の実感が得られず、消費が活性化しない」と指摘する。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/wage2017/