「ニコニコ動画」の低迷はサービス競争以前の、単なる体力負けなのではないか
遅れ馳せながら、昨日のドワンゴ川上量生会長によるニコニコ動画のサービス発表を
観ました。確かにユーザーからすると愛着があるほど「これじゃない」感じが見えて
しまい、非常に惨憺たる酷評をされてしまった、というのが実態のようです。
niconico「く」、ネットの反応は“大荒れ” 新機能よりも「まず画質・高速化
」- ITmedia NEWS
別にドワンゴや角川グループの実態や、業務全体でのニコニコ動画の位置づけが
どうなっているのかは分からないので、川上さんが発表した開発スケジュールの
妥当性や、開発コストの見積もりその他が適正であるかなどは判断できません。
わざわざ発表してその内容がこれであった以上、きちんと吟味して結果として
こういう内容であったということであれば、仕方がないのかなとも思います。
しかしながら、コンテンツの製作委員会を手がけたり、広告をニコニコ動画に掲載
していた当方からすれば、ニコニコ動画は客層が限定され、ものすごくニッチな人
たち相手にしかリーチしないメディアであるという認識はこの三年近く続いていたのも
事実です。それでも熱量の高いニコニコ視聴者はいるし、アニメやサブカルは相変わらず強いセグメントを持っているので、大負けはしないまでもグライダーのように滑
空しながらコンテンツ業界関連メディアの一角として頑張り続けるのかな、
と思っていました。
ただ、告知媒体としてのニコニコ動画は、コンセプトの陳腐化とともに話題の
波及効果としてはSNS広告に負け、アニメファンやゲーム好きにはAbemaTVやYoutube、
Twitchなど他の動画サービスに負けるという傾向が顕著になってきました。
とりわけ、一番広告宣伝費を投下するメディアタイアップもののスマートフォン向け
アプリの広告では、ニコニコ向けの企画数が激減し、これといった営業をしてこない
Youtubeにすら負ける、という状況ですから、日本の動画絡みのカルチャーを
牽引してきたニコニコ動画が劣勢を跳ね返せていない現状が明らかなのではないかと
感じます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20171129-00078709/