東京新聞望月記者 ペジー事件の捜査が政権に及ぶ可能性指摘
「安倍政権ってちょっと怪しくない?」。世の中にそんな雰囲気が充満していた2017年6月、
颯爽と官邸会見に現れ、菅官房長官に厳しい質問を飛ばして慌てさせたのが、東京新聞の
望月衣塑子記者(42才)だった。年の瀬迫る12月中旬に起きた巨額公金詐欺事件。その背
景には、またも安倍人脈が見え隠れする──。望月記者が政権深部の「綻び」を読み解く。
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今の安倍政権がスタートして丸5年が経ちました。5年目の2017年は政権にかかわるさまざ
まな問題が噴出した1年間でした。
政治部記者ではなく、主に事件取材を続けてきた社会部畑の私が、いくつかの問題に関心
を持ち、2017年6月、初めて首相官邸の会見場に足を踏み入れてから半年が経ちました。
毎日行われる菅義偉官房長官の定例会見には、今でもできるだけ出席するようにしています。
“アイツに質問させると厄介だ”と思われているのでしょうか、官邸サイドのマークも厳しくなって
、なかなか思う通りに質問できないもどかしさもあります。バッシングも聞こえてきます。
でも、子供の将来を考えた時、この政権はこの国をどこに導こうとしているのかを見極めること
が私の責任だと思って会見場に向かっています。
最近、東京・霞が関の中央省庁を取材して回っていると、顔を合わせる官僚は口を揃えて、「そ
れで、ペジー事件(※注)はこれからどうなるの?」と私に“逆取材”してきます。それだけ、官
僚たちにとって、この事件の捜査の行方が大きな関心事になっているんです。
〈※注:東京地検特捜部は2017年12月上旬、スパコン開発会社「ペジーコンピューティング」創
業社長の齊藤元章容疑者(49才)を逮捕した。2013年度に国の助成金4億3000万円を騙し取っ
た詐欺容疑。齊藤容疑者は関連会社で総額100億円超の公的資金を受けていたと報じられた〉
官僚たちがペジー事件から目が離せないのは、不透明な経緯で流れた税金が巨額だったからだけ
ではありません。ペジー事件の捜査は、安倍政権の中枢の周辺にまで伸びる可能性があるので、
霞が関のみならず、永田町にも激震が走っています。
◆安倍総理の「オトモダチ」の名が浮上
つづく
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