青瓦台が職員分のみ炭疽菌ワクチン輸入? ネットに怒りの声
ネット上では「国民もワクチン接種したい」
青瓦台「予防接種用ではなく治療用」
「北朝鮮の炭疽(たんそ)菌テロに備え、韓国大統領府(青瓦台)が
文在寅(ムン・ジェイン)大統領をはじめ青瓦台と政府の要人のためのワクチン治療剤を購入した」。
最近、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などでこんな情報が飛び交っている。
青瓦台の請願サイトには24日までに「国民も炭疽菌ワクチンを接種したい」
「炭疽菌ワクチンを全ての国民に普及せよ」などという炭疽菌関連の請願が30件以上も寄せられている。
炭疽菌ワクチン騒動の発端となったのは、日本の朝日新聞の記事だった。
同紙は20日「北朝鮮が最近、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に生物兵器の炭疽菌を搭載する実験を始めた」と報じた。
炭疽菌を100キログラムほど大都市上空に撒布するだけで100万−300万人を殺傷できる、という主張もある。
青瓦台警護処は今年7月、食品医薬品安全処に対し、
「韓国国内には認可された治療剤がないため、海外から薬品を購入して有事に備えたい」との文書を送り
「炭疽菌テロ発生時の要人及び(青瓦台)勤務者治療用」として
米国製の炭疽菌ワクチン500人分(3000万ウォン=約300万円)の購入を要請した。
青瓦台もこの事実を認めているが「大統領と青瓦台職員の予防接種用に購入したわけではない」との立場だ。
青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)報道官は同日、報道参考資料で
「11月2日に炭疽菌ワクチン350人分を入手し、韓国軍のある病院で保管している。
(それとは別に)疾病管理本部で生物兵器テロ対応要員の予防および
国民の治療目的で1000人分を入手し、某所で保管している」と明らかにした。
青瓦台はまた「炭疽菌ワクチンは予防効果もあるが、抗ウイルス剤と併用すれば治療効果が2−3倍に高まる。
国内では臨床実験が行われておらず、副作用などが懸念されるため、予防接種は考えていない」と説明した。
ワクチンは予防用ではなく治療用として保管しているというわけだ。
しかし、韓国の全人口に遠く及ばない1000人分だけ入手・保管することが妥当なのかという指摘も出ている。
これについて青瓦台の関係者は本紙の電話取材に対し「韓国国内でもワクチン開発に向けて研究中だと聞いている。
そのような状況を踏まえてのこと」と説明した。
青瓦台はまた、ワクチンの導入は現政権が推進し始めたものではないとし
「警護処が2016年初めに海外からの炭疽菌ワクチン導入を推進し、17年度の予算に反映された」と明らかにした。
朴国熙(パク・ククヒ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/12/24/2017122401339.html
【社説】炭疽菌ワクチン350人分確保、国民を裏切る韓国政府
韓国大統領警護処が今年11月、食品医薬品安全処を通じて大統領と大統領府職員のために
炭疽(たんそ)菌ワクチン350人分を入手していたことが分かった。
炭疽菌は北朝鮮が生物化学兵器として保有している細菌で、人体に致命的な影響を及ぼすが、
韓国国内には認可を受けたワクチンや治療剤がない。
警護処は今年7月に食品医薬品安全処に対し「有事への備え」としてワクチンの確保を指示し、
安全処は「国の非常事態においては許可を受けていない医薬品を輸入できる」と定めた薬事法の特例を根拠に入手したという。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/12/25/2017122500570.html