ーーなぜラーメンだけがこんなに取り上げられるのでしょう?
この時代のラーメンは、味噌、醤油、塩、豚骨から坦々麺、五目あんかけ、つけ麺までいろんな種類があり、
それぞれ個性が面白いので、メディアで取り上げられやすいんでしょう。
でも、もうメディアからもあまり相手にされなくなってます。本も売れないし、視聴率も取れないんです。
その証拠に、最近のラーメン博なんかを見てもわかるけど、今話題を作るには、創作ラーメンというのかな?
見ため重視で、味よりも驚き、お得感が重視されるようになってきています。ハッキリ言って、この業界のブームもいよいよ終焉。
早い話、ネタが出尽くしてしまったということでしょう。やはり、ラーメンはシンプルであって、スープで勝負しないとダメです。
ーー天然素材の無添加ラーメンや自家製麺など、こだわりを売りにしてる店も多いのですね。
それは何の自慢にもなりませんね。ガラス張りで製麺機を見せる店もあるけど、普通はオープン前にどこか店の端っこで作るだけだから。
あと利尻産の昆布だとか、水にこだわってるとか、それを謳い文句にしてる店もあって、実際、私の知り合いにもいたけど、その店もすぐ潰れたもんね。
お客様はそこまでこだわってないということですよ。
それより、もっと驚く現象がこの業界の常識になりつつあるんです。近年、新規オープンした店の多くがスープを工場から仕入れているの。
要するに「店でスープを作ってない」ということ。「どこどこの店と同じようなスープを作ってほしい」と頼むと、そこそこ似たようなスープを入手できる。
私は30年間、店でスープを炊いてきたので、残念な気もするけど、否定はしない。
なぜならば、スープ工場のレベルも上がっていて、正直「美味いい!!」なんです。
近年、ガラの値段も上昇しているので、スープを工場から仕入れることで「スープの味が安定する」
「近隣と臭いの問題でのトラブルが減る」「ゴミ代の節約」「冷房も効いて快適」「人件費の節約」「職人が辞めても問題なし」といいことずくめ。
なんといっても、昔のようなインスタントっぽいスープでなく、本当に炊いているので本格的。これからますますラーメン業界の常識になってくると思うよ。
ただし、繁盛するかどうかは別問題。繁盛させたかったら、私に問い合わせ下さい(笑)。
http://tablo.jp/culture//news002741.html