日本においてはレイプ被害を訴えるのがタブー視されている。性暴力に関する社会的、
法的システムを変えるためにも、オープンに話すことができるようにするべきでは。
その実現のために、自分の身に起こったことを整理し、何が必要なのかを考えるべく本書は著された。
17年5月、検察審査会への申し立てを報告する記者会見を行って以降、伊藤さんには
「自分も過去にレイプ被害を受けた」という声が届くようになった。「今まで誰にも言えなかった」
という人もいれば、同じ会社や業界の顔見知りから被害を受けたという人も多数いた。
「ほとんどの人は自分がレイプ被害者になるなんて想像もしません。私もそうでしたし、
被害者がこれだけいるということも知らなかった。レイプは日常的に起こってしまうこと
なんだということを改めて思い知りました」
タイトルの『Black Box』は事件が密室で起こったことだけが由来ではない。
真実に迫ろうとする過程で、捜査機関や司法のなかにも、多くのブラックボックスを見つけた。
山口氏の逮捕を直前で取りやめた警視庁本部の中村格刑事部長(当時)に、
何度も取材をするべく直撃したものの、一目散に逃げられた。
「周りから『勇気がある』とも言われます。でも、司法が正当に働いていれば、動く必要はなかった。
私はジャーナリストなので、真実を知り、社会を少しでもよくできたらと思うだけです」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180218-00024381-president-soci