原子力関連の独立行政法人や公益法人など計十三法人に、国家公務員出身の常勤・非常勤役員が、今月時点で少なくとも二十四人いることが本紙の取材で分かった。
二〇一二年七月に政府が調査した際には二十二法人六十人だった。
人数は減ったものの、東京電力福島第一原発事故から七年となる今も「原子力ムラ」と呼ばれた中央省庁と関連法人の人的つながりが続いている実態が確認された。
政府は原発事故後の一一年と一二年の国会決議を受け、原子力行政に携わる経済産業省と文部科学省所管の三十七法人を対象に、国家公務員出身者の在籍状況をまとめた。
調査の対象には、放射線医療など原発との関わりが必ずしも強くない法人もある。
本紙はこの対象法人のうち、原子力規制庁に統合された原子力安全基盤機構を除く三十六法人(名称変更法人を含む)に照会し、国家公務員出身者の在籍状況を集計。
二法人は「現在は一般の法人に移行しており、公開義務はない」などと回答を拒否、一法人は期限までに回答しなかった。
二十四人の役員の出身省庁は、エネルギー業界を所管する経産省が九人、原子力を所管した旧科学技術庁を統合した文科省が十三人と大半を占めた。
政府機関に位置付けられる独法や国立研究開発法人の役員十人は、出身省庁に戻ることが前提の「現役出向」。その他は退職官僚の再就職だった。
これとは別に、回答を拒んだ二法人が過去に公開した資料によると、少なくとも五人の役員が国家公務員出身者だった。 (横山大輔、吉田健一)
2018年2月25日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201802/CK2018022502000131.html