馬の"取違え事件"、再び起こる(イギリス)[開催・運営]
http://www.jairs.jp/contents/newsprot/2018/6/3.html
サウスウェル競馬場で"取違え事件"が起こった。アイヴァン・フアタードゥー(Ivan Furtado)
厩舎の2頭がそれぞれ間違ったレースに出走したのだ。この事件は審問において"全然
面白くない『間違いの喜劇』"と言われた。
審問は2月1日、ロンドンのBHA(英国競馬統轄機構)本部で開かれた。そこで、1月14日
にサウスウェル競馬場でアフリカントレーダー(African Trader)とスクリブナークリーク
(Scribner Creek)が出走する前に個体確認を行う機会が4回あったが、それを怠っていた
ことが分かった。審問の議長をつとめたジェームズ・オマハニー(James O'Mahoney)氏は、
このような出来事は競馬への信頼を失墜させるリスクを招くと語った。
取違えられた2頭はいずれも5歳せん馬であり、この日はフアタードゥー厩舎に転厩して
から初めて出走することになっていた。BHA職員は、スキャナーで2頭のマイクロチップID
のチェックを行っていたが、"取違え"に気付かなかった。
競走後に2頭のうち1頭が薬物検査を受けることとなった。その翌日、BHAが採取した
検体の分析を行っているときになって、ようやくこの"取違え"に気付いた。
フアタードゥー調教師には2,000ポンド(約30万円)の過怠金が課された(1レースにつき
1,000ポンド)。これらの馬はそれぞれ3位と7位で入線したが、失格となった。
オマハニー氏はこう語った。「サウスウェルにいた他の人々もミスを犯したことは
分かっています。しかし私たちは、出走馬の個体確認に最終的な責任を負うのは施行
規程に定められているように調教師だと考えています」。
「人的ミスがあったことは分かっています。しかし、この事件に関して観客・馬券購入者・
競馬ファンがどうとらえているか、またこの事件が競馬の公正確保・評価にどう影響
するかについて考えなければなりません。言うまでもないことですが、正しい馬が
正しいレースに出走しなければなりません」。
「BHAとフアタードゥー氏の双方から、このような取違え事件が再び起こらないように
するための手順が整えられていると聞きました」。