◆スマホを銃と見まちがえ… 丸腰の男性を警官が射殺、抗議デモも 銃撃された瞬間の動画が公開される
丸腰の黒人男性を、警官2人が射殺する動画が3月21日に公開され、物議をかもしている。
警官たちは、男性が持っていたスマートフォンを武器と見誤っていたとしているが、地元では警察への抗議が拡大している。
■警官たちは「自分たちの安全が脅かされたため」発砲
事件が起きたのは3月17日夜、アメリカ・カリフォルニア州サクラメントで。
地元紙サクラメント・ビーによると、死亡したのはステフォン・クラークさん(22)。
地元警察はこの夜、クラークさんの自宅付近で何者かが車の窓を割ったという通報を受けた。
警察によると、不審者の追跡をしていた。
ヘリコプターの乗員が家のガラス扉を破り、フェンスを飛び越えて隣家の裏庭に逃げた男を目撃した。
そして、午後9時半ごろ、警官2人が自宅の敷地内にいたクラークさんに声をかけた。
警察は、クラークさんが手に何かを持って、警官たちに向かってきたとしている。
写真:警官に射殺されたステフォン・クラークさん(22)
「安全が脅かされたため」警官たちはクラークさんに何度も発砲したと、警察は説明した。
警官2人はクラークさんにそれぞれ10発発砲した。何発命中したかは、いまのところ明らかではない。
ヘリコプターの追跡動画と、警官が装着したボディカメラの動画が3月21日に公開された。
映像には、2人の警官がクラークさんを銃撃する瞬間が映っている。
※閲覧注意 下の動画には、クラークさんが銃撃される場面が映っています
動画:
クラークさんの自宅内にいた祖母セキータ・トンプソンさんは「聞こえたのはパン、パン、パン、パンという音だけでした。私は地面に伏せました」と語った。
トンプソンさんは、這って7歳の孫のもとに行き、銃撃が終わるまで地面に伏せるように言った。
その後、警察から事情聴取を受けている時、トンプソンさんは窓の外を見た。
そして、裏庭にクラークさんの遺体を見た。
「カーテンを開けたら、クラークが死んでいたんです。叫び声を上げました」と、トンプソンさんは語った。
■ サクラメント市長「調査の完了を待つ」
警察は、クラークさんが銃を持っていたと考えていたと弁明したが、武器は見つからなかった。
その後、警察は、クラークさんが窓を破るための道具を持ち運んでいたと考えたとも釈明した。
しかし、クラークさんが持っていたのはスマートフォンだけだった。
コンクリートブロックとアルミの破片が、近所の家の壊れたドア付近で見つかった。
それがヘリ乗員の報告にあったバールのようなものだったかもしれないと、警察はみている。
サクラメント市のダレル・スタインバーグ市長は21日夜、調査が完了するまでクラークさんへの銃撃に関して予断を挟まないよう、注意を促した。
「人命が奪われるのは常に痛ましいことですし、愛する人の最期の瞬間を見る苦しみは想像がつきません。ましてや、このようなかたちで起きたのなら」と、スタインバーグ市長は語った。
一方で、市長はこう付け加えた。
「動画だけで、警官たちのとっさの判断を批判することはできないですし、そうするつもりもありません」
「調査の完了を待たなければなりません。最終的な結論を下す前に、動画に加えてより多くの情報が必要となります」
ハフィントンポスト 2018年03月23日 16時05分
https://www.huffingtonpost.jp/2018/03/22/sacramento-2018-0323_a_23392932/?utm_hp_ref=jp-homepage