時は平成30年。滋賀県大津市にある比叡山延暦寺が公式ツイッターを開始したところ、
「織田信長」を名乗るアカウントから不穏な書き込みがあった。
焼き打ちの悲劇が約450年を経て“再燃”するのか。
延暦寺の担当者を直撃すると、返ってきたのは意外な答えだった。
延暦寺は、最澄が788(延暦7)年に開山し、親鸞や道元、日蓮ら
高僧を輩出した格式ある寺院として知られる。
1994年には「古都京都の文化財」の一部として、ユネスコの世界文化遺産にも登録された。
ツイッターの公式アカウントを開設した理由について
同寺教化部長の小鴨覚俊(こがも・かくしゅん)氏(50)はこう説明する。
「3、4年前くらいから考えていました。以前にインスタグラム(写真共有アプリ)は
やったことがあるんですが、ツイッターは不用意発言や“炎上”を恐れて躊躇(ちゅうちょ)していました。
SNSも広がり、皆さんが抱く延暦寺像と柔軟な対応の両方のニーズに応える必要があって始めました」
フォローや質問への回答をせず、主にお知らせを発信して寺のウェブサイトに誘導するために利用するという。
同寺が3月24日、《皆様こんにちは。天台宗総本山比叡山延暦寺です。ツイッター始めました》
と初ツイートすると、その4日後。「織田信長」を名乗るアカウントからこんなリプライ(返信)があった。
《延暦寺さんこんにちは。織田信長と申します。
突然のお願いで恐縮ですが、浅井朝倉の残党を匿うのをやめて講和して頂くわけには参りませんでしょうか?
講和がならなかった場合、此方も相応の対応をさせていただく事になろうかと思います。
ご考慮の程宜しくお願いいたします》
同寺は1571(元亀2)年、信長によって焼き打ちに遭っている。
原因は諸説あるが、信長の政敵だった近江国(現・滋賀県)の浅井長政と
越前国(現・福井県)の朝倉義景を匿ったためともいわれている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180402-00000002-ykf-soci