日本の将来は「悲観シナリオ」か「破滅シナリオ」
「1000兆円を超える天文学的な借金を抱えた日本国は破綻必至で、ハイパーイン
フレによって円は紙くずになってしまうのではないか」と心配するひとがいるか
もしれません。
最近では、「日銀の金融緩和ではインフレを起こせなかったのだから、あとは
日本政府が『インフレになるまで財政赤字の拡大を放置する』と宣言するしかない」
という、アメリカの経済学者クリストファー・シムズの「物価水準の財政理論(
FTPL)」が注目を集めています。もしこのような政策が実施されれば財政赤
字はとめどもなく膨らみ、「国家破産」が現実味を帯びてくるでしょう。
この問題については2013年発売の『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』
(ダイヤモンド社)で書きましたが(2018年に改訂文庫化『国家破産はこわくない』
〈講談社+α文庫、電子版はダイヤモンド社より発売〉)、私の見解はこのときとま
ったく変わっていません。
この本では日本の未来を、(1)楽観シナリオ(アベノミクスで日本経済は大復活
する)、(2)悲観シナリオ(現在と同じデフレ不況がこれからも続く)、(3)
破滅シナリオ(財政が破綻して経済的な大混乱が起こる)の3つのケースで検討しま
したが、4年に及ぶ日銀の金融緩和政策でも物価は一向に上昇せず、アベノミクスに
好景気を呼び込むちからがないことがはっきりしました。そうなると残っているの
は「悲観シナリオ」と「破滅シナリオ」だけなので、より話がシンプルになったと
もいえます
http://diamond.jp/articles/-/167854