韓国が北の石炭密輸入、文政権で制裁に「緩み」
2018年8月11日 12時07分
【ソウル=豊浦潤一】
韓国関税庁は10日、北朝鮮産の石炭などを不法に輸入したとして、関税法違反(密輸入)と私文書偽造などの容疑で韓国の輸入業者3社を送検した。
韓国は2010年5月から北朝鮮との貿易を全面中止する独自制裁を続けており、北朝鮮産石炭の輸入は17年8月の国連安全保障理事会の制裁決議で禁じられている。
北朝鮮に融和的な文在寅政権下で対北朝鮮制裁網のほころびが改めて浮き彫りとなり、韓国国内で批判が高まっている。
関税庁によると、3社は昨年4月から10月まで7回にわたり、計66億ウォン(約6億6000万円)相当、計約3万5000トンの北朝鮮産石炭と銑鉄を密輸した。
石炭は北朝鮮からいったんロシアのナホトカやウラジオストクなど三つの港に運ばれた後、原産地がロシアに偽装されていた。
密輸入された石炭は、韓国電力の子会社の発電所で燃料として使われた。
国連安保理の北朝鮮制裁委員会専門家パネルは3月にまとめた年次報告書で、北朝鮮産石炭が韓国に密輸入されている可能性を指摘していた。
文政権は、北朝鮮の道路や鉄道建設などの南北経済協力を進めるため、制裁の例外措置を認めるよう国連に働きかけているとみられる。
文政権下の韓国で制裁の緩みが露呈し、米国などの国際社会から厳しい視線が向けられそうだ。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20180811-OYT1T50041.html