ーー本のなかで、他人に対する否定的な見方がブーメランのように返ってきて、自意識過剰になると書かれています。そのことに気づかれたのは、いつですか?
若林:すごく恥ずかしい話、最近で。普通の人に10年くらい遅れて、いろんなことの気づきがくるのが自分の生き方だなって思うことがあります。
ゴルフを始めたら、「なんでゴルフなんて始めるんだ」とか「お前そっち側にいっちゃうのかよ」って、(南海キャンディーズの)山里亮太に言われたんですけど
自分もそうだったんですよ。ゴルフなんて、俗物のやるものだと思っていて。
でも、やってみると全然違って難しいし、遠くに飛ばしたいと思うほど飛ばないし。
遠くに飛ばなくていいやって思うと飛んだりする。やってみたら、なんでも面白いなっていう。否定するとやり始めないし、やってる人をディスっていると自分がその立場になれないじゃないですか。
それは毎日を合理的に楽しむってことに対して、ちょっと邪魔だなと。狭めちゃうというか。
中高生のとき、文化祭とかでステージではしゃいでいる人たちをベランダの隅からバカにしてきたので、「ずいぶんと損をしてきたな」という気持ちになったんですよね。
ーーそんな風に変われたきっかけがあったんですか?
若林:親父が死んだのと、まえけんさん(お笑い芸人の前田健さん)という先輩が亡くなったのが、2週間くらいのあいだに起きたんです。
そのとき、物事をナナメに見るのって“竜宮城”で、ナナメに見ていたりカッコつけていたりしたら、人生ってすぐに終わっちゃうなって。
そう思ったのと、2人の生き方がすごい好きで。自分にもっと正直に、楽しいことは楽しんでやろうって。
オードリー若林さん、先輩芸人の死を機に「物事をナナメに見るのをやめた」
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