ベルリンで開催中のIFA 2018にて、ソニーの吉田憲一郎CEOが大人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト(Fortnite)」のPS4でのクロスプラットフォームプレイにつき、事実上の否定発言をしたと報じられています。
吉田CEOはクロスプラットフォーム論争に対して「PS4でプレイすることはゲーマーにとって最高の体験だと感じており、妥協してはならない」とコメントしたとのこと。
一時はソニー側から「解決策に取り組んでいる」と歩み寄る発言があったものの、一転して撤回されたようです。
Epic Gamesが開発・運営するフォートナイトは、Windows PCやMac版、Xbox One版、iOS版やAndroid版、PS4版およびニンテンドースイッチ版がリリースされています。
PC/MacやXbox、モバイル(iOS/Android)やスイッチユーザーも機種をまたいだ「クロスプラットフォーム」で一緒に遊ぶことができます。
ただし、例外はスイッチ版とPS4版です。
フォートナイトは基本的に同じプラットフォーム同士のプレイヤーがマッチングしますが(条件を同じにしてハンデをなくすため)フレンドであれば異なる機種でも一緒にプレイが可能。これがPS4とスイッチの間ではできません。
さらにPCやMac、Xboxおよびモバイル版はEpicアカウントを通じて、課金アイテムやゲームの進行状況を含めたキャラクターをスイッチに持ち越すことができます。
が、これまでソニーのPSNにリンクしたことのあるEpicアカウントでログインしようとすると、スイッチ版では「遊ぶことを許可してくれないポリシーのゲームアカウントに紐付いている」として、引き継ぎを拒否されてしまいます。
こうしたクロスプラットフォーム拒否の姿勢が反発を招いたことに対して、ソニー幹部のショーン・レイデン氏はPS4プレイヤーの声に耳を傾けているとして「解決策に取り組んでいる」とコメントした経緯がありました。
吉田CEOは続けて「PCその他のプラットフォームとのクロスプレイはすでに実現しています(注:PS4とPC版などのフォートナイトのクロスプレイは可能)。
最良のユーザー体験に基づいて決定する、それが我々のクロスプラットフォームについての考え方です」と述べています。
取材では「競争は常に良いと思います。健全で構成な競争は、常に業界と成長にとっていいものです」とも語っており、暗に任天堂とスイッチに対するライバル心が伺えます。
たしかにPS4で利益をもたらしていたユーザーがスイッチに移行したところで、ソニーには何のメリットもありません。
一見すると偏狭にも思える姿勢ですが、「ゲーム専用ハードの覇権競争」という観点では、ソニーが勢いづいているスイッチとの相互乗り入れを拒むことは合理的とも言えそうです。
https://japanese.engadget.com/2018/09/04/ceo-ps4/