起業
女子高生が「着せ替え可能バッグ」開発 販売開始
「買ってくれた皆さんの声を聞いて、このバッグを育てたい」と話す望月まいさん=さいたま市浦和区仲町3の毎日新聞さいたま支局で
埼玉県白岡市の高校3年、望月まいさん(18)が、前面やふたを組み替えて自分好みにカスタマイズできるハンドバッグを開発し、販売会社を起業した。
ファッションが好きで、自分のブランドを持つのが夢だったという望月さん。「まだスタートラインに立ったばかり。
買った方々の声を聞き、このバッグを育てていきたい」と意気込んでいる。【錦織祐一】
望月さんは、父の勝さん(48)が出版社「青月社」(東京)を起業し、「自由に働く姿に憧れていた」という。
実家は同市にあるが、中学から新潟市の私立中高一貫校に進学。
中2の時、当時、高校生の起業家として活躍していた椎木里佳さん(20)=慶応大=の存在を知り
「自分も高校生になったらファッションで起業したい」と考えたという。
「服は毎日コーディネートできるのに、バッグは毎日同じなんてつまらない。着せ替えができれば」と着想。
高1の5月の大型連休に帰郷し、県の外郭団体「創業・ベンチャー支援センター埼玉」に事業計画を持ち込んだ。
その後も計画を練り上げ、高2の時に「高校生ビジネスプラン・グランプリ」(日本政策金融公庫主催)で3247件の中から優秀賞に選ばれた。
今年2月、子どもの時からためた50万円を資本金に会社を設立。
社名は「普通の物を再創造する」という意味の英語「Recreate a normal one」から「Recno(レクノ)」と名付けた。
小ロットで発注できる工場をインターネットで探し、東京都荒川区の「ドニード」から快諾を得た。
今年の夏休みは毎週工場に通って試作を重ね、今月から販売を始めた。
バッグは白をベースに、前面とふたはファスナーやボタンで留め、花柄や紺色に替えられる。
A4サイズが収納できる一方、幅は35センチに絞り機能性とファッション性を追求。さらに車椅子の後部に掛けるストラップも備えた。
以前、車椅子利用者から「おしゃれで使いやすいバッグが欲しい」と聞いたことから「ユニバーサルファッション」も目指す。
ブランドは「SCEGLISTY(シェリスティ)」と命名した。イタリア語で「選ぶ」の意味の「シェリエレ」と英語の「スタイル」をかけた。
「季節限定のパーツを投入するなど、さらに選択の幅を広げたい」という。
レクノのサイト(https://www.recno.work/sceglisty)で1万5000円から販売している。
https://mainichi.jp/articles/20181017/k00/00e/020/220000c