https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20181024-00101575/
習近平の「自力更生」は「中国製造2025」を達成することを指す
習近平が最近よく言う「自力更生」は、決して文革時の毛沢東返りではなく、「中国製造2025」によりコア技術の自給自足達成を指している。「中国製造2025」を見なければ中国も米中関係も日中関係も見えない。
◆「中国製造2025」に対する鮮明なメッセージ_新華網
その証拠に、2018年5月8日の中国政府の通信社「新華社」電子版「新華網」の報道を見てみよう。「“中国製造2025”:困難に遭い、自ら強くなる」というタイトルで「中国製造2025」と「自力更生」の関係が書いてある。文字だけでなく写真に大きく「中国製造2025」とあるので、一目瞭然だろう。なお、中国語では「製造」は「制造」と書く。
小見出しには「2018年は絶対に普通ではない年になる!」とあり、冒頭に、おおむね以下のような趣旨のことが書いてある。
――いまわれわれは国家戦略「中国製造2025」を推進しており、改革開放40周年を迎えようとしている。ある国が、わが国に高関税をかけて、わが国のハイテク製品輸出に徹底的な打撃を与えようとしている。どこまでもつきまとう執拗な封鎖を通して、われわれは「困難から抜け出すには、ただ一つ、自力更生以外にない」ということを知らなければならない!
ここにある「ある国」とは、言うまでもなく「アメリカ」のことである。
アメリカが中国のハイテク製品に高関税をかけ、ハイテク製品製造のためのコア技術であるアメリカ製半導体の対中輸出に規制を掛けていることに対して、それなら「自力更生」以外にないと言っているのである。
この報道一つを見ただけでも、「自力更生」とは「中国製造2025」を達成して、中国のハイテク産業のコア技術に関する自給自足を指していることが歴然としている。