かつてNASAの出資した実験中、イルカと親密な関係を築き、性的な関係まで持った女性研究者がいたという。オルタナティブメディア「Disclose.tv」(今月4日付)がその悲しい顛末を報じている。
1964年、当時23歳だったマーガレット・ハウ・ロヴァットはイルカの教師役としてこの施設にやって来た。
施設にいたイルカはパメラとシシーという名のメスが2頭、ピーターというオスが1頭の計3頭。
マーガレットはイルカたちとすぐに仲良くなり、人間の言葉を教えるべく日々レッスンを行ったという。
熱心に訓練に励むマーガレットはやがて、さらにイルカたちとの絆を深めるため、施設内をできるだけ水で満たし、さらに自ら住み込みたいと願い出た。
リリーは彼女の提案を受け入れ、夏の3カ月間、防水の部屋やベランダなどが水で満たされて、イルカが自由に泳ぎまわれるようになった。
夜になるとマーガレットも水に囲まれたベッドで眠った。
過去の調教を鑑みて、マーガレットはピーターと親密な関係を築き、訓練を進めることを決めた。
マーガレットは水で満たしたエリアにピーターだけを入れ、週6日間、彼と一緒にいることとなった。「Hello Margaret.」とあいさつを教えてみたが、ピーターには「M」の発音が特に難しかったのだと、後にマーガレットは述懐している。
ピーターはマーガレットの体の構造に興味を持っていたという。
「私が足を水に入れながら座っていると、彼がやってきて私の膝の後ろを長い間眺めているということがありました。彼はそれがどのように動くのか知りたがっていて、私はその様子に魅了されました」(マーガレット)
ピーターはマーガレットと一緒にいたがり、その手や足に体をこすりつけるようになった。だがやがてその行動はエスカレートし、マーガレットに対して性的興奮の仕草をみせるようになったのだ。
マーガレットはピーターの性的な興奮を慰めたという。ピーターが荒ぶっているのでもない限り、それは決して不快な行為ではなかったという。
また個人的な行為でもなく、他の研究者たちが観察することもできた。
「私にとっては性的なものではありませんでした。それは絆を深めるための行為でした」(マーガレット)
1966年になると、リリーはイルカに言葉を教える実験に完全に関心を失っていた。研究資金も尽きて、プロジェクトは終了することとなり、施設も閉鎖されることとなった。
イルカたちはマイアミにある別の施設に移されることとなった。だがそこは、比較的自由で快適な環境に慣れていた彼らにとっては、あまりにも大きな変化だった。
環境の変化と愛するマーガレットとの別れは、ピーターにとってどれだけ負担であったことだろうか。
「ジョン・リリーから電話がありました。ジョンは自ら電話をかけてきて、ピーターが自殺したと言ったのです」(マーガレット)
施設の閉鎖から数週間後、マーガレットが受け取ったのは衝撃的な知らせだった。イルカに自殺などできるのか疑問に思う向きもあるだろうが、英紙「The Guardian」の記事によれば、息を吐き続けて水底に沈み、息継ぎをしないでそのまま死ぬ可能性はあるのだという。
https://tocana.jp/i/2018/10/post_18335_entry.html