用水路での死亡、年100人超 目立つ岡山・富山・埼玉
岡野翔
2018年11月6日10時06分
https://www.asahi.com/articles/ASLBZ5V2FLBZUUPI008.html
住宅地や農地のそばにある用水路には、思わぬ危険が潜む。
落ちて溺れるなどしてここ数年、全国で年に100人以上が亡くなっている。
生活環境に溶け込み、転落が死に直結すると想像しづらいうえ、対策は後手に回っている。
「おとお、おとお、起きろ――」。2016年4月12日朝。
岡山市東区の福田浩一さん(39)は、自宅の裏を流れる用水路(幅約2・7メートル)に飛び込み、
父の成生(しげお)さん(当時70)の体を抱き寄せて叫んだ。反応はなく、運ばれた病院で溺死(できし)と判断された。
現場はJR岡山駅から約10キロの田畑や住宅が混在する地域。
成生さんは自転車で近所にごみを出しに行く途中、用水路にかかる柵のない橋(幅約2メートル)を渡っていたとみられる。
橋は市が管理し、地元の人たちが使っていた。