レイプは"魂の殺人"です/大藪順子×小林美佳
大藪順子さんは9年前にアメリカで、小林美佳さんは8年前に東京で、レイプ被害に遭っています。
「被害者の痛みを知ってほしい」と声をあげ、実名で体験を綴った手記を出版しているお二人による対談。
自責の念に駆られる被害者の心理、被害に遭ったことを打ち明けたときの家族の反応は……など、被害者自身でなければ語り得ないことが盛り込まれています。レイプがいかに被害者の心身を打ちのめす犯罪であるか、お二人の言葉が強く重く、胸に響きます。
小林 本屋でウロウロしていたときに、たまたま大藪さんの本が目に止まり、ページをめくりました。
ちょうど出版社から「本を出さないか」と言われていたときだったので、かぶったと思った(笑)。
で、大藪さんのことをネットで調べたら、サバイバー(性暴力やDVの被害から生き延びた人)の写真を撮っておられて、講演もなさっている。
私はもう何もやることがないと、編集者に「やめます」って電話かけたんです。
大藪 私の場合はアメリカで起こったことで、日本の人にとってはワンクッションおいた出来事。だから、日本で起こった身近な事件、今まで目を逸らしていた事実を小林さんが語ることは大きな意味がある。
被害者という立場から声をあげない限り、性犯罪の本質というものはなかなか理解されないと思うんです。
http://www.chuko.co.jp/fujinkoron/number/100744.html