槙野の発言が波紋を広げている
サッカー日本代表DF槙野智章(31=浦和)の“暴露発言”が森保ジャパンを直撃した。
NHKの番組に出演した槙野がロシアW杯で日本代表を率いた西野朗前監督(63)への個人的な見解を披露したことに、ともにW杯を戦ったFW岡崎慎司(32=レスター)が苦言を呈し、日本協会も問題視するなど、波紋が広がっている。
来年1月5日開幕のアジアカップ(UAE)に向けて26日から始動した日本代表イレブンの反応とは――。
槙野は25日に放送されたNHK「グッと!スポーツ 2018 アスリートが選んだ名場面」に出演した際に、チームに対する指示について「西野監督は何もしなかった」と爆弾発言。
代わりにMF本田圭佑(32=メルボルン・ビクトリー)がイレブンに指示を出していたと主張した。
民放局のバラエティー番組と違い、公共放送として信頼度の高いNHKが槙野のコメントを取り上げたことも注目され、インターネットを中心に「これはいろんな人の株を下げる発言」
「これ本当だとしても、言っていいことなのか」などとファンやサポーターの間から発言を疑問視する声が殺到し“大炎上”した。
さらに、これらの発言を受けて、ロシアW杯を代表の一員としてともに戦った岡崎が26日に自身の公式ツイッターを更新。
「ワールドカップをこんな風に話にされるのは俺は嫌やなー。
実際に監督は西野さんだし、圭佑は選手。
槙野は好きだけど、話を盛る癖がある。
そしてメディアはその面白い所を取り上げる。
番組は観てないけど、もっとワールドカップでの重要な話は他にあると思うけどなー。」
(原文ママ)と槙野の発言に否定的な見方を示した。
槙野からすれば、あくまで個人的な見解であり、場を盛り上げるために大げさにコメントしたもので、番組全体を通して西野前監督をおとしめる意図はなかったとみられる。
ただ、脚色してチームの内部事情を公共の電波を通じて“暴露”すれば、受け取る側に様々な誤解を生じさせる可能性があり、
当人はもちろんチーム内外の各方面に迷惑をかけることになる
岡崎の発信は、そうした点を考慮して槙野をたしなめたものだろう。
どちらが良い悪いはともかく、影響力のある2人による騒動は森保ジャパンにも飛び火した。
この日からアジア杯に向けた合宿が千葉県内でスタート。
槙野本人は女優の高梨臨(30)と都内で結婚披露宴を行ったため、初日は不参加だったが、練習後にはロシアW杯で日本代表の一員だったGK東口順昭(32=G大阪)が今回の発言について言及した。
「テレビを見ていないので分からないけど」と前置きした上で「深くしゃべらんかったらよかったかもしれないけど、しゃべっちゃったのでね。
僕も岡ちゃんのこと(SNSでの発言)は記事でしか見ていない。
僕の中では西野さんは尊重してやってくれたということで、決して圭佑が監督していたわけではない」とし、槙野や岡崎、前指揮官をよく知るだけに複雑な心境をのぞかせた。
また、日本サッカー協会はこの日、槙野の発言について「編集でどう切り取られたのかなど分からない部分も多い」としながらも「どういう意図でそういうことを言ったのか、確認というか話は聞くことになる」。
代表チームを巻き込む騒動となりつつあるだけに、発言の真意や内容について“事情聴取”する方針を示した。
2大会ぶりの優勝を目指す森保ジャパンにも不穏なムードが漂うなど影響を及ぼしかねないが、
27日にも代表チームに合流する槙野は、協会や森保監督、チームメートに対し、どんな説明をするのか。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181227-00000038-tospoweb-socc