東京五輪期間中 首都高で料金上乗せ 一律500〜3000円検討
2020年東京五輪・パラリンピック期間中の渋滞緩和策として、大会組織委員会、東京都、国が競技会場を結ぶ首都高速道路で
交通量抑制を目的に通常の料金に上乗せする「ロードプライシング」を導入する。大会関係者が明らかにした。
課金額は一律500〜3000円と複数の案が浮上しており、国土交通省を中心にそれぞれの効果を検証し、対象の区間や時間帯、車両を含めた検討に入る。
東京都内で6日に開かれる有識者を交えた「交通輸送技術検討会」でロードプライシング導入を確認して議論を開始する。
首都高は走行距離に応じて料金が異なり、普通車(ETC利用時)で300〜1300円に設定されている。
選手やスタッフ、メディアら大会関係者はバスや乗用車で主に高速道路を利用することが決まっている。
首都高は何も対策を行わずに大会を迎えた場合、通常の約2倍の渋滞となることが見込まれている。
東京都などは経済団体や各企業に交通量を抑制、分散する「交通需要マネジメント」(TDM)の協力を要請した。
具体的には時差出勤やテレワーク、物流企業には配送時間の変更や回数の抑制を求め、交通量を平日から15%削減し休日並みとする計画だった。
しかし、昨年10月に開かれた交通輸送技術検討会のシミュレーションではTDMにより全体の交通量を一定程度減らしてしまうと、
一般道から「首都高は混雑していない」と逆に流入する車両が相次ぐ結果が出た。
これではTDMの効果が限定的になってしまうため、新たな抑制策の必要性が浮き彫りになっていた。
組織委と東京都は円滑な大会運営と経済活動の両立を掲げている。
ロードプライシングはトラックなど物流車両は課金の対象外とする方向で検討し、行楽客ら一般車両に対し割高な料金を設け、利用を控えてもらうのが狙いだ。
逆に大会関係車両が減る深夜帯は通常よりも値引きし、利用時間の移行を促す案もある。
また、首都高でロードプライシングを導入した場合、周辺の一般道に交通が集中して混雑することが予想される。
そのため首都高を取り巻くように走る東京外郭環状道路(外環道)や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)を値下げすることで、
迂回(うかい)を促すなど首都圏全体の交通量を調整する方策も議論する。
ロードプライシング導入には国民の理解を得られるかも大きな鍵となり慎重な議論が求められる。
東京都や神奈川、千葉、埼玉など沿線自治体の議会の同意も必要となる。
今年末までには結論を出す方針で、大会関係者は「協力を求めている企業への影響を抑え、
大会成功に向け多くの人に納得してもらえる方法を模索していきたい」と話す。【村上正】
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