自衛官の募集事務をめぐり、政府が、自治体の6割が、防衛省の依頼通りには資料提出に応じていないとしていることをめぐり、岩屋防衛大臣は、法律の改正は行わず、募集の公益性などを自治体に丁寧に説明し、協力を求めていく考えを示しました。
安倍総理大臣は、衆議院本会議で行われた代表質問で、憲法改正に関連して「6割以上の自治体に協力を拒否されている」と述べ、野党側は、ほとんどの自治体で住民基本台帳の閲覧が可能であり、実態とは異なると指摘しています。
これをめぐって岩屋防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、「防衛省は、法令に基づき、自衛官募集に必要な名前・住所などの資料の提出を求めているが、6割の自治体に協力していただいておらず、住民基本台帳を閲覧して書き写している」と説明しました。
そのうえで、「法律の改正が必要だという考えは持っていない。募集はすぐれて国の安全保障に関する公益目的であり、自治体が、自主的に依頼に応じて頂ける環境作りが大切だ。
文書だけでなく、出向いてお願いするなどの努力が全部できていたか、点検し見直していく」と述べ、自治体が自衛官の募集に関する事務の一部を行うことを定めた自衛隊法の改正は行わず、自治体に丁寧に説明し、協力を求めていく考えを示しました。
一方、岩屋大臣は、安倍総理大臣が、自衛官募集に関連して自治体に十分な協力をしてもらうためにも、自衛隊の存在を憲法に明記すべきだという考えを示していることについて、「防衛大臣が、憲法改正についての総理発言にコメントするのは適切ではない」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190219/k10011819951000.html