資格コンサルタント 鈴木秀明/フロンティアスピリッツ vol.8
2019.04.19 NEW
あなたは資格をいくつ持っているだろうか。私は、簿記、英検、旅行関係の資格で合計4つほどしか持っていないが、世の中には年間50〜60個ほどのペースでこれまでに600個以上の資格を取得した人がいる。
それが鈴木秀明氏だ。肩書として「資格コンサルタント」を名乗り、これまで無かった「職」を切り開いてきたフロンティアだ。
今回は、インタビューをとおして鈴木氏のパーソナリティや仕事に対する考え方を紐解いてみたい。新進気鋭の資格コンサルタントの生い立ちから現在までを一気に駆け抜ける。
資格コンサルタントを支えるのは情熱と努力
自身の仕事について生き生きとした表情で語る鈴木氏
インタビューを始めて間もなく、鈴木氏の資格に対する姿勢は次の言葉で明らかになった。
「持っている600個以上の個々の資格を直接仕事にするわけではなく、僕は『たくさんの資格を持っている』こと自体を自分の武器・ブランドとして仕事をしています」。
そんな鈴木氏が最も苦労したという資格は、ロシア語能力検定4級だ。「あれは難しかったです。
日本語をロシア語に翻訳させる問題が、4級(最も入門レベルの級)の試験に出るなんて、驚きました」と、資格の話になると鈴木氏の語り口が熱を帯びる。
数々の資格を保有する鈴木氏でも試験に落ちることはある。年間80の試験を受け、20〜30の試験には落ちるそうだ。例えば、きのこ検定1級。落ちた主要因は、学名を覚えるのが大変だったから。
そもそも、きのこ検定なるものを受験する人がそんなにいるのか不思議だが、鈴木氏曰く、世の中にはキノコ好きな人がたくさんいて、試験の人気は意外と高いそうだ。
きのこ検定に限らず、世の中にはマニアックな資格試験が数多くある。鈴木氏にとって悩ましいのは、過去問題が手に入らず、何をどう勉強したらいいのかの見当がまったくつかないケースがあることだ。
資格コンサルタントとして逃げるわけにはいかない。そこで鈴木氏が実践していることの一つが『ひとり犠牲バント』だ。
「1回分の試験問題を入手するためだけに、一度アウトになるのを覚悟で試験を受けることがあります。そうやって情報を集めて、次に活かすんです」と、努力の一端が垣間見えた。
鈴木氏は1日に4〜5時間の勉強時間を確保している。社会人がこれだけの時間を捻出することは容易でない。
そんな鈴木氏にも、勉強時間を削ってでも取り組むことがある。それが本の執筆だ。
執筆業は、資格コンサルタントの重要な仕事のひとつ。直近では、『東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える 点数稼ぎの勉強法』(ダイヤモンド社)を出版した。
内容について鈴木氏は、「学校のテストから東大入試・資格試験まで、ありとあらゆる試験を攻略してきた経験を基にした『点数を稼ぐ方法』を書きました」とのこと。主に学生向けに書かれているそうだ。
ここで少し意地悪な質問をしてみた。「点数を稼ぐだけの勉強法は社会に出てから役立たないと言われてますが?」と。それに対して鈴木氏は、次の通り、明確な答えを持っていた。
「僕の考えは違います。子どもの頃に『点数がとれる』『結果が出せる』という成功体験を積むことで、勉強が面白くなるでしょうし、学生生活が充実すると思うんです。
その結果、努力するマインドが身につく。そういう子どもは大人になってからも努力する姿勢を持ち続けることができるはずなんです」
挫折と、資格コンサルタントへの道
資格の分野で自分の名前を売ることができると考えました。実際にガイド就任直後からメディア出演依頼が多数あったりして、All Aboutの影響力はすさまじかった」と、戦略は見事に的中したようだ。
数年後、リーマンショックで人材業界にも不況の波が押し寄せた。
このタイミングで鈴木氏は、「その時点ではまだ資格を武器に独立するほど自信は無かったけど、ここが転機かなと感じたので、思い切って辞めました」と、27歳の時に大きな決断をした。
会社を辞めた直後は、資格に関する収入だけで食べていけるほど順調ではなかったようだ。
そのため、いろいろな仕事をしながら生活費を稼ぎ、資格の勉強に取り組んだ。
https://career.joi.media/special/2019/04/19/7339/