北海道根室市の根室港の船揚げ場で2日、傷ついたゴマフアザラシが保護された。体長約70センチで、下腹部に白い産毛が残る生後1カ月ほどの赤ちゃんとみられる。左目を負傷しているほか、体のあちこちに傷痕があった。東京農大オホーツクキャンパス(北海道網走市)に運ばれ、治療を受ける。
平成最後の日の4月30日夕方、約10キロ離れた温根沼でも左目を負傷したゴマフアザラシが上陸し、市民が海に戻した。同一個体とみられるが、この時は左目以外に外傷はなかった。その後、天敵のカラスなどにつつかれたようで、元号をまたぐ形で保護された。
同大で海棲(かいせい)哺乳類を研究している小林万里教授は「根室海峡か北方四島の流氷の上で生まれた個体とみられる。海に戻せる状態まで回復するかどうか分からない」と話している。【本間浩昭】
https://mainichi.jp/articles/20190503/k00/00m/040/039000c