パリのル・ブルジェ空港では、現地時間6月17日に開幕する世界最大規模の航空ショー「第53回パリ航空ショー」の準備が進んでいる。
「MRJ(三菱リージョナルジェット)」から改称された、三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「三菱スペースジェット(Mitsubishi SpaceJet)」も、塗装が改められた飛行試験3号機(登録記号JA23MJ)の展示準備が進められていた。
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これまでMRJ90(標準座席数88席)と呼ばれてきた機体は「SpaceJet M90」に、短胴型のMRJ70(76席)をベースとする機体は「SpaceJet M100」に、名称変更すると13日に発表。スペースジェット塗装の公開は、今回が初めてとなる。
一方で、正式発表前に海外で広告が掲載されてしまうなど、混乱がみられた。名称変更も、本来はパリ航空ショーで発表を予定していたが、海外で新塗装の機体が撮影され、開幕を待たずに発表せざるを得なくなったとみられる。
M100は米国市場に最適化した機体サイズで、座席数は3クラス65-76席、最大1クラス88席まで設定できる。M100は、北米市場に存在する「スコープ・クローズ」と呼ばれるリージョナル機の座席数や最大離陸重量を制限する労使協定に準拠した仕様にした。
M100は現在、機体の設計方針を固める「コンセプトスタディ」を進めている。ローンチが決定した場合、今年後半の発表を見込む。パリ航空ショーでは、客室モックアップを展示する。
一方、旧MRJ90の飛行試験3号機は、これまでローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)のカラーリングをまとっていたが、スペースジェットの広告などで使用している新デザインにオランダで塗り直した。
MRJ時代を含めると、スペースジェットの航空ショー出展は前回2017年開催のパリ航空ショーが初めてで、ANA塗装の3号機を地上展示した。翌2018年にロンドン近郊で開かれたファンボロー航空ショーでは、3号機が初めて飛行展示(フライトディスプレー)を披露している。
パリ航空ショーは奇数年、ファンボローは偶数年の開催で、それぞれその年に開かれる世界最大規模の航空ショーになっており、各国政府や軍、航空会社など、航空分野のさまざまな関係者が来場する。