日本一のバスケットボール選手の体づくりをサポートする沖縄県出身の男性がいる。プロバスケBリーグ1部の千葉ジェッツで
ストレングス&コンディショニングコーチを務める多田我樹丸(がじゅまる)さん(29)=那覇市出身=だ。
千葉は2018―19シーズンMVPの富樫勇樹らスター選手をそろえ、2季連続準優勝を飾った強豪クラブ。
「体が資本」のプロ選手の管理という重責に「まだまだ勉強中だけど、少しでも日本のバスケに貢献したい」と多田さん。謙虚な言葉の中に、裏方としてプロ競技を支える気概が見える。(長嶺真輝)
■転機はプロ野球
識名小5年でバスケを始め、石田中、那覇高3年までプレーを続けた。選手として全国舞台で活躍することは
なかったが、「スポーツに関わる仕事がしたい」と高校卒業後は当時、沖縄市にあった専門学校「沖縄メディカル・スポーツ学院」に入学。整体の技術やトレーニングの知識をみっちり学んだ。
転機は09年11月。同校理事長だった赤坂守さんがプロ野球・千葉ロッテのフィジカルコーチを務めていたことが
きっかけで、ロッテとコンディショニングスタッフとして契約を結び、1軍と2軍を行き来しながら13年まで続けた。
ただロッテと契約した当初は「野球をやったこともなく、県外での生活も初めて。当初は選手に信頼してもらえず、体も触らせてもらえなかった」とプロ選手の
体づくりに関する繊細な一面を身に染みて知った。「この仕事はまず選手と関係性をつくることが大事だ」という点に気づき、少しずつ野球の知識を蓄え、選手と積極的に
コミュニケーションを図りながら信頼を勝ち取っていった。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190619-00000021-ryu-oki