性犯罪をなくすために必要なのは、「性的同意」が社会に根付くこと
大学生による性暴力事件や就活セクハラなど、性犯罪に関わる報道がなされるのも珍しくなくなった。
とりわけ、性暴力事件の無罪判決など立件の難しさゆえ、被害者が声を出しにくいといった問題があり、
身近に起きている性犯罪が潜在化しているのも指摘されている。
そうした中、慶應義塾大学で6月21日、「キャンパスにおける性犯罪を防止するには」と題したシンポジウムが開催された。
性犯罪に詳しい弁護士や性犯罪をなくすための啓蒙・教育活動をしている有識者らが集結し、
性暴力の現状と活動を通して得られた共通理解について議論した。
性犯罪は不起訴処分になることが多い
しかし、一方で上谷弁護士によると「性犯罪は立件のハードルが高く、不起訴処分になるケースが多い」という。
女性が性交に同意していると男性が誤信する状況だった、男性からみて明らかに抵抗した様子は見られないなどの見解から、
性犯罪として立件できなかった事例を紹介した。
こういった危害、性犯罪を起こす加害者像とはどのようなものなのだろうか。
「一般的に考えられている加害者像と事件を起こしている加害者像は異なっている。
モテない、性欲が異常に強いといったイメージがあるが、四大卒や妻子持ち、社会的地位のある職業などエリートが加害者のにケースが多い」
エリート男性は、「自分はエリートだからこれくらいしても許される、女性は触られたいと思っている」と思い込んでしまう。
エリートが性犯罪に走る理由には、このような認知の歪みが原因になっているという。
また、被害者像についても誤解されている面もあると上谷弁護士は続けた。
「遅くまで遊んでいる、露出度が高い格好をしていると思われがちだが、泣き寝入りしそうな人が被害者になりやすい。
性格がおとなしい、体型が小柄、加害者と上下関係があるなど立場的に逆らいにくいといった特徴がある。
被害者自身も先輩・後輩の関係性を壊したくない、性被害を受けたのは自分のせいと思うなど、
認知の歪みから被害を訴えないことが多く性犯罪が潜在化する原因となっている」
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