イギリス次世代戦闘機「テンペスト」、スウェーデン参加で実現に弾み
イギリスが推進する第6世代戦闘機「テンペスト」の開発プログラムに、スウェーデンが参画することが明らかになった。
ドイツ・フランスが進める計画の枠組みから外れていたイギリスだが、自前の開発計画のパートナーを獲得したことで、コスト面での実現性を一歩高めた。
新型機はレーザー兵器を搭載しドローンの遠隔操作に対応するもので、2040年ごろ導入される予定だ。
♦︎ドローン制御に対応、レーザー搭載
現在イギリスの主力戦闘機はユーロファイター・タイフーンだが、新型機テンペストはその後継機にあたる。英フィナンシャル・タイムズ紙(7月7日)は、
テンペストが「イギリスの空中戦術の中核」を担い、「最先端の専門的技術を保持しようとするイギリスの意向を明確に示す」ものであると伝え、その重要性を強調している。
計画の初期段階として20億ポンド(約2700億円)が投じられる。
英エクスプレス紙(7月8日)によると、新型機は無人飛行が可能になる模様だ。さらに、スウォーミング(群体飛行)技術によって複数のドローンを制御するほか、
レーザーに代表されるような指向性エネルギー兵器を装備する。英BAEシステムズと英ロールスロイス、さらにミサイルの知見を持つ仏MBDAを中核として、
複数のヨーロッパ企業が開発に携わる予定だ。指向性エネルギー兵器への大容量の電力供給を実現すべく、ロールスロイスが革新的なガスタービンを開発するという報道も一部に出ている。
♦︎スウェーデン参加で、FCAS陣営との競争激化か
イギリスでは、世界最大級の航空ショー「ロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー」の開幕が7月19日に迫っている。
米軍事サイト『ディフェンス・ニュース』は、この場でスウェーデンの参画が正式に発表されるものと見ている。
開発参加への誘致は、日本、イタリア、トルコに対しても行われていたが、現時点ではスウェーデンのみが応じている。
スウェーデンはロシアの脅威を感じていることから、現行の軽戦闘機「サーブ39グリペン」よりも強力な機体を必要としている、と同誌は背景を紹介している。
ヨーロッパの次世代ステルス機としては、フランスとドイツが未来戦闘空中システム(FCAS)と呼ばれる戦闘機およびシステムの開発を進めており、
今年6月にはスペインも正式にこれに加わった。フィナンシャル・タイムズ紙は仏独西の次世代機もドローンの遠隔操作機能を搭載予定と伝えており、次世代機のハイテク化競争が激しくなりそうだ。
https://newsphere.jp/world-report/20190714-1/