[東京 30日 ロイター] - 日本商工会議所の三村明夫会頭は、ロイターとのインタビューで、消費税増税を巡って安倍晋三首相の周辺から延期を示唆する発言が出たことについて「増税まであと数ヵ月に迫る中で、上げない選択はあり得ない」と述べ、予定通り実施すべきとの考えを示した。インタビューは29日に実施した。
最低賃金引き上げ論議に対しては「『数字ありき』では、かえって設備投資などが抑制的になりかねない」と、政府の対応をけん制した。一方、日銀が目指す物価2%目標に触れ、「将来的には必ずしも2%にこだわらない柔軟な金融政策も必要」と語った。
「事業者が、消費税率引き上げと併せた軽減税率の導入や、最大5%のポイント還元への対応準備のさなかなだけに『信じられない』というのが本音だ。増税の本質は、今の社会保障を持続可能にするための財源とし、必要な負担を求めることにある。経済状況云々とは切り離して考えるべきだ」
「最低賃金の引き上げは、支払い余力さえあれば正しいことだ。反対はしない。ただ、経済情勢や中小企業の経営実態を考慮せず、実質的な賃金レベルを政府が先に決めるのはおかしい。数字ありきの引き上げには反対だ」
「18年度の最低賃金引き上げの直接的な影響を受けた中小企業は38.4%と、前年度から5.4ポイント増えた。企業が自発的に賃上げできる環境整備を優先しなければ、かえって設備投資などが抑制的になりかねない」
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