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闇営業問題から始まった一連の吉本興業お家騒動の“震源地”の一角である「雨上がり決死隊」宮迫博之(49)がMCを務めていた「アメトーーク!」(
木曜午後11時20分、テレビ朝日系)は様々な対応に追われているが…テレ朝は、まず一つ手を打った。
8月15日放送枠で「千鳥」(大悟=39、ノブ=39)がMCの特番「テレビ千鳥」を放送することが、本紙の取材で分かった。過去にも同様の例はあったものの、いかんせん今回は状況が全く違う。
テレ朝が「雨上がり」から「千鳥」に大きくかじを切ったということだろう。
今回のように「アメトーーク!」が「テレビ千鳥」に差し替わった例は過去に4回ある。
最初は昨年3月に単発特番「千鳥の大クセ写真館」として放送した。これが好評だったため「
テレビ千鳥」に改題して同年6月と12月に2回放送し、4月からは深夜ながらレギュラー番組に“昇格”。その直後に、もう一度「アメトーーク!」の枠で特番が放送された。
「このやり方は、いわば“観測気球”のようなもので、単発特番で視聴者の反応をうかがって、
のちのちプライム帯(午後7〜11時)の主力商品として勝負できるかどうかをリサーチするもの」とテレビ局関係者。
そのトライアルの結果「『テレビ千鳥』は『アメトーーク!』に匹敵するぐらいのコ
ンテンツパワーを持つと判断された。『将来的には千鳥が雨上がりと代わっても十分に視聴率を取れる』というジャッジを下した」(前同)。
宮迫と蛍原徹が司会を務める「アメトーーク!」の後継者は千鳥だとテレ朝が想定したとはいえ、それは「今すぐに」ということではなく、あくまでも「将来的に」だった。ところが、今回の
一連の騒動を受け、局内では「雨上がりから千鳥に、いよいよ世代交代」という声が大きくなり始めているという。
別の局関係者は「10月編成では『アメトーーク!』の打ち切りということは、ありません。最終的な判断は番組がマネタイズできるかどうか。DVDの売り上げなど、局にどれだけの利益を
もたらすのかということを総合的に判断する。そういう意味では『アメトーーク!』は、まだまだ稼げるからです」と打ち切りの可能性を否定する。亀山慶二社長も2回の会見で放送継続を明ら
かにしているが、同番組を取り巻く状況は確実に悪化している。
「夏の定番だった『高校野球大好き芸人』も中止になった。テレ朝は開局60周年で、今年を勝負の年と位置づけており、10月改編では、さらに大きな勝負に出ます。例えば『ドラえもん』
『クレヨンしんちゃん』を金曜から土曜に移動する。局を挙げて体制を整えている中で、大きなミソをつけてしまった」(前同)。今後、事態が急変する可能性は十分にある。
一方、千鳥は「稼げるコンビ」として、急速に勢いを増している。その代表例は、2014年にテレビ埼玉でスタートした冠番組「いろはに千鳥」だ。
「千鳥の魅力を最大限に引き出しているからこそ、5年以上続いている。人気は今でも上昇中で、DVDもめちゃくちゃ売れています。正直、キー局の連中は、テレビ埼玉に『いろはに千鳥』を
やられたことを相当悔しがっていますよ」と芸能プロ幹部。
他局も千鳥を高く評価しているからこそ、テレ朝としても、のんきに「将来的に」などと言ってはいられない。そこで予定を前倒しして「テレビ千鳥」を「アメトーーク!」に代わる局の看
板番組、ドル箱コンテンツとして育成する方針にシフトチェンジしたという。この時期に特番放送を決めたのは、その意思表示だ。
前出幹部も「宮迫のテレビ復帰に相当時間がかかりそうな状況では、むしろ、それが自然な考え」と断言した。
テレ朝で一時代を築いた「アメトーーク!」の後を継ぐのは「テレビ千鳥」――。これがテレ朝の決断ということだ。