まぁ仕方がないか。
俺も剣を抜いた。
巻き毛が間合いを詰めてくる。
「おらおらおら!」
キンキンキンキンキンキン!
「ははっ、どうした!? 大口叩いたくせに、防戦一方じゃねぇか!」
キンキンキンキンキンキン!
「……守ってばっかりじゃいつまで経っても勝てねぇぞ!」
キンキンキンキンキンキン!
「そ、そろそろ終わりにしてやらぁ!」
キンキンキンキンキンキン!
「……ちょ、ちょっと待て!」
巻き毛は飛び下がり、いったん距離を取った。
「何で俺の剣を普通に捌いてやがんだよ!? 俺は《剣士》で〈剣技・初級〉のスキルを持ってんだぞ!?」
「いや、なかなか良い剣筋だと思うぞ」
「何で上から目線で評してやがんだ!?」
俺の方が剣を握って長いんだし、別におかしなことじゃないと思うんだがな?
「なに遊んでんだよ。《無職》なんかとっととやっつけちまえよ!」
口を挟んできたのはもう一人の少年。
巻き毛より背が高く、しかも小太り気味なので動きは遅そうだ。
小太りと呼ぶことにしよう。
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