漢方には得意分野があり、成分が数種類混ざった配合剤であることから、西洋薬のように単一の症状だけに
効くのではなく、ある症状に付随したいわゆる「随伴症状にも効く」という特徴があります。
ですから、その時の症状に合ったものや、体質に合ったものを選ぶことが重要です。
一方で、漢方は同じ名前の薬でも、その成分量や構成成分(組成)が違うものがあります。
これは西洋薬ではありえないことです。西洋薬であれば、後発品であっても必ず同じ成分が同じ量だけ
入っています。そうでなくては臨床試験の結果が何の意味もなさなくなってしまうからです。
しかし、漢方は違います。たとえば成分量の違いについて、風邪に用いられる「葛根湯」を見てみましょう。
まず、1日量7・5グラム中に含まれるエキスの量は各社まったく異なります。
3グラム程度の会社もあれば、5グラム以上の会社もあります。
また葛根湯には7種類の生薬(葛根、大棗、麻黄、甘草、桂皮、芍薬、生姜)が含まれますが、
その構成割合も異なります。ツムラの製品は生姜が多いですが、本草やクラシエの製品は葛根がツムラの2倍含まれています。
次に組成が異なる例として「補中益気湯」を見てみます。オースギやクラシエは黄耆、人参、白朮、当帰、
陳皮、生姜、大棗、柴胡、甘草、升麻の10種類で構成されているのに対し、ツムラの製品は白朮↓蒼朮に、
本草の製品は生姜↓乾姜に代わっています。
これらの差がどのくらい効果の差を生むかどうかまでは、はっきりしていません。
しかし、この微妙な差によって「自分に合う、合わない」が生じる可能性もありますので、
知っておくとよいでしょう。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191002-00000026-nkgendai-hlth